ハードウェア」カテゴリーアーカイブ

ハードウェアに関するカテゴリーです。

ムーアの法則後の世界

「ムーアの法則は、7nmノードに達した時点で終えんを迎える。早ければ2020年になるだろう」――。

これはEE Times Japanの「ムーアの法則はあと7年で終わる? 微細化の限界は7nmか5nm」というRick Merrittさんの翻訳記事からの引用です。

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日本HPから新たなAMD製APU搭載モバイルノートPC登場

日本HP、AMD Temash搭載/タッチ対応の11.6型モバイルノートPCPC Watch

私はこのノートの2世代前のHP Pavilion DM1-4009AUを使用しているのですが、結構不具合が出ています。

  • 省電力モードへ移行によって液晶表示が切れた後に復帰すると、表示にノイズが乗ることがある。
  • タッチパッドのキャリブレーションがおかしくなり、正常に操作できなくなることがある。
  • Bluetoothが無反応になることがある。

こういった不具合が完全に解消しているかどうか、新機能の搭載によって新たな不具合が増えていないかどうか、ちょっと不安に思ってしまいます。※1タッチ対応液晶搭載で比較的安価で、従来機よりパフォーマンスが上がっているので、こういった不具合が出ないのであれば非常に魅力的なものになりそうです。

AMD製CPU/APU搭載パソコンは比較的安価なものが多い関係で、高価な製品と比較してどうしても部材や設計、テストなどのコストが低めに抑えられる傾向があると思います。そうなると、どうしても不具合が多めになるのかな、などと、ちょっとネガティブに考えてしまう面もあるのですが、いかがでしょうか?


  • 完全にスクラッチというよりは従来機からの改良の可能性が高いだろうな、という私の予想に基づくものです。現実には異なるかもしれません。

GPUとは何を指す言葉なのか?

はじめに

「GPUとは何か?」と質問をされて、正確に答えられる人は割と少ないと思います。特に、GPUという言葉をきちんと知っていると正確に答えるためには一言では表現できないでしょう。「GPU」と「いわゆるGPU」を分けて説明する必要があるからです。

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IBMのモンスターCPU「POWER8」

【後藤弘茂のWeekly海外ニュース】IBMが技術の集大成のモンスターCPU「Power8」を発表PC Watch

後藤 弘茂さんによる記事です。

この「POWER8※1」の特徴について後藤さんが述べている部分を以下に引用します:

CPUコアは12コアだが、各コアが8-wayのSMT(Simultaneous Multithreading)をサポートしている。そのため、CPU全体で96スレッドを同時に走らせることができる。

各CPUコアは8ディスパッチ、10イシュー、16実行ユニットと、Intelのx86系CPUコアの最高峰Haswell(ハズウェル)よりさらに規模が大きい。整数演算ユニットは2ユニットだが、分岐ユニットやコンディションレジスタアクセスなどは別ユニットとなっている。

CPUコアはマルチスレッドプログラミングを容易にするトランザクショナルメモリを備える。

96MBのL3 eDRAMは、構成上は、各CPUコア毎に8MBのL3リージョンに分けられている。しかし、IBMが「NUCA (Non-Uniform Cache Architecture)」と呼ぶ仕組みで、共有されている。

Power8は、メモリインターフェイスにMemory Bufferチップを使っている。つまり、Power8は、外付けのバッファチップを介してDRAMにアクセスする。

省電力では、電圧レギュレータモジュール(VRM)を統合し、コア単位での電圧制御を可能にしている。

1コア単位でみると、Intel Haswellで処理できるスレッド数が4倍の8スレッド、それに合わせて内部の実行ユニットが細分化されています。しかし、演算器はIntel Haswellの4器と比較して2器と少なくなっています。これは実行する対象の命令がRISC系(ロードストアアーキテクチャ)なのかCISC(非ロードストアアーキテクチャ)なのかによる差に起因するのかもしれません。

Intel Haswellに初めて搭載されたトランザクショナルメモリをこちらも搭載しているとのことです。仕組みがIntel Haswellと似たようなものであれば、こちらの方がキャッシュが多いので、より多くのトランザクションを一度に実行できるかもしれません。※2

メモリが直接POWER8につながるのではなく、いったんメモリバッファチップを介するというのは、一時期IntelがFB-DIMMで採用していたのと同じアイディアです。※3VRMをCPUに統合するのもIntelがHaswellで実施したのと同等の方向ですね。CPUの設計を突き詰めていくと、似たような方向に行く部分が増えていくのでしょう。

ところで、このCPUの製造プロセスは、

IBMの22nm SOI(Silicon-On-Insulator)プロセスで製造

とのことで、プロセスルールはIntelの22nmに追いついたようです。※43D構造のトランジスターではないもののSOIを導入しており、一定の省電力化が実現できているものと思います。

ふと思ったのですが、これはAMDがほしがっているプロセスなのでは、という気もします。価格面で折り合いがつかないかもしれませんが…。


  • 後藤さんの本文は「Power」表記ですが、同記事の中のIBMの図表やIBMのサイト内の表記が明らかに「Power」ではなく「POWER」なので、それに倣いました。
  • Intel HaswellはトランザクショナルメモリとしてL1キャッシュを使用する設計です。
  • 2000年ころにはRambus社がハブを介してメモリを増設する設計を採用していたこともあります。
  • もっともこの値は各社で基準が違うので直接比較できません。

Xbox Oneが搭載する巨大チップ

【後藤弘茂のWeekly海外ニュース】Microsoftが「Xbox One」のチップ概要をHot Chipsで発表PC Watch

後藤 弘茂さんによる、Xbox Oneの構造解説と、PlayStation 4との対比についての記事です。

サウスブリッジチップは各種I/Oとクロック、システムコントローラを統合している。KinectモジュールはサウスブリッジにUSBで接続されており、同じくUSBに接続されたWi-Fiが2系統ある。片方のWi-Fiはゲームコントローラなどを接続する。コントローラはBluetoothではなく、Wi-Fi接続だ。

Wi-Fiが2系統というのは面白いですね。片方の帯域を使いきっても、もう片方には影響を与えないで使用できるようにするためなのでしょうか。Bluetoothではないのは、Wi-Fiとの干渉あるいは帯域の少なさを嫌気したのでしょうか…? 理由を聞いてみたいところです。

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HotChipsでAMDが行ったHSAの発表

AMDなどがHSAのアップデートをHot Chipsで行なう – 後藤弘茂のWeekly海外ニュースPC Watch

後藤 弘茂さんによる、AMDを中心としたHSAについての解説記事です。

後藤さんの連載から関連する過去記事を3つ紹介します。

最初のころと比較して、仕様そのものがとても大きくなりつつあるように見えます。確かに中間言語「HSAIL」とそれを取り巻くソフトウェアレイヤーは柔軟性が高いもので、あれこれ取り込めるのはわかるのですが、ちょっとやりすぎ感があるように見えます。結局のところ、かかわる各社各様の思惑がそのまま仕様に盛り込まれているようにも見えます。

また、AMDから見ると、これは対NVIDIA戦略の一環という側面が強いこと※1もあって、売り文句をなるべく多く用意したいというところもあるのかもしれません。


  • GPGPUではAMDはNVIDIAに対して大幅に出遅れています。例えばスーパーコンピューターのトップ10ランキング(2013年6月時点)にNVIDIAのGPGPUは2件ありますが、AMDのGPGPUは0件です。GPGPUではありませんが、Intelのメニィコア Xeon Phiも2件ランクインしています。いまHSAに取り組んでいる各企業は現時点では実績がなく、これから追走に入る予定の企業ばかりであるところも、もしかしたら注目すべき点なのかもしれません。

チップ1つで128GBを実現する3D NAND技術

後藤弘茂のWeekly海外ニュース – ワンチップ128GBのフラッシュメモリを実現する3D NAND技術PC Watch

後藤 弘茂さんによる、3D NANDに関する分析記事です。

先日のWebページ・コメンタリー福田 昭さんによる記事で私が抱いた疑問に対する回答になりえるもので、より深く踏み込んだ解説となっています。

 「データ書き換え可能回数と価格、そして将来の大容量化への不安がなくなれば、NANDフラッシュの市場はさらに拡大する」。

SamsungのJim Elliott氏(Vice President, Memory Marketing)は、先週の3D NAND技術「V-NAND」の量産開始のアナウンスでこう宣言した。

まったくその通りです。価格が下落して、データの書き換え回数が増え、そして大容量化すれば誰だって買いますよね。

2DプレーナNANDでは、フローティングゲートに300個程度しか電子を格納できないが、3D NANDのV-NANDではチャージトラップで1,000個までの電子を格納できる。そのため、書き換え可能回数が20nm世代のプレーナNANDの10K回に対して、10倍の100K回に上がるという。

1ケタ耐久性があがるというのですから、すごいですね。しかもそれだけではなく、書き換え速度が2倍になったり、その際に必要になる電力が半分になるなど、従来とは一味違う大きなな変化が表れているようです。

Intelが予定していたIA-32の独自64ビット拡張の仕様を推測する

2015年9月14日追記

思考実験的に書いてみた本コラムですが、2年たった現在では異なる考えを持っている箇所があります。修正を施そうかとも思ったのですが、あちこち修正するよりも当時のコラムは当時のままにしておき、そのことを文頭に表明しておく方がより良いのではないかと思えたので、本追記を加えました。

ご参照いただく際には上記のことを念頭においていただければと思います。

はじめに

Intelが初代8086を生み出してから、今日(こんにち)のIntel Core iシリーズ(Haswell)にも続く64ビット拡張までを順番に見てみたいと思います。その際に、64ビット拡張としてAMDが採った手法と、それまでのIntelが行ってきた拡張手法を比較し、Intelが最終製品に反映させなかったIA-32の独自64ビット拡張であるYamhill Technologyの姿について考察してみたいと思います(後述しますが、最終的にIntelはAMDの設計と互換性の高いClackamas Technologyを採用したため、Yamhill Technologyは市場に出ることなく終わりました)。

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Radeon HD 6970Mの欠陥

アップル、iMac27インチモデルのRadeon HD 6970Mに欠陥 – 無料で交換対応マイナビニュース

AppleがiMacの故障時の無料交換を行うという記事です。

27インチiMacのクアッドコアIntel Core i5(3.1GHz)モデルおよびIntel Core i7(3.4GHz)モデルにおいて、搭載グラフィックスのAMD Radeon HD 6970Mの一部に欠陥があることを明らかにし、無料交換に応じると発表した。

グラフィックチップ関連での故障時の無料交換は時々発生しますね。今回はAMD Radeonが原因とのことですが、以前はNVIDIA GeForceが原因で故障時の無料交換をしていたことがあります。

急激な温度変化が起こる部品だけにいろいろと難しい問題があるのでしょう。

なぜマウスにこんな機能が?

上海問屋、デジタル重量計を内蔵したマウス ~不意に重さを量りたくなったときに便利PC Watch

多和田 新也さんによる新製品紹介記事です。

マウスの手のひらに当たる部分をスライドさせることで利用可能な重量計を内蔵。0.1g単位で500gまでの測定が可能なほか、入れ物などを載せた状態で0gに設定できる風袋機能も搭載。単位はgのほか、oz/gn/ctへ切り替えられる。

便利…なの…?…かもしれませんが、不意に重さを量りたくなったことってないんですよね…。みなさんはあったりするんでしょうか?

なお、計量法という法律があって特定計量器というものが決まっているのですが、これはそれに該当しないと思われる※1ので、取引・証明等には使えないと思われます。注意しましょう。※2


  • 販売元のページに適合すると書いていません。
  • 違反すると罰則として6か月以下の懲役、または50万円以下の罰金が課されます。