まだまだ実物が出てくるのに時間がかかるのではないかと思っていたのですが、Intelがイタリアのローマで開催中の「Maker Faire Rome」カンファレンスで「Intel Quark SoC X1000」搭載ボード「Intel Galileo Board」を発表しました。関連記事をいくつか紹介します:
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- Intel、Arduino互換のマイコン開発ボード「Galileo」 ~400MHz駆動で低消費電力のPentium互換SoC「Quark」を搭載 – PC Watch
- インテル、オープンソース・ハードウェア・プラットフォーム「Arduino」と連携 – RBB TODAY
- インテル、開発者や学生に向けた「Galileo」ボードを発表–Arduinoと提携 – CNET Japan
- Intel、「Quark」搭載の非技術者向け「Galileo」ボードを発表 – ITmedia ニュース
- Intel、組込用SoC「Quark」搭載のArduino互換開発ボード「Galileo」を発表 – マイナビニュース
このボードは「Arduino uno R3」互換だそうです。なので、一般のマイコンボード(例えば有名どころでは「Raspberry Pi」など)を使った開発よりはとてもお手軽な環境となっています。このArduino uno R3は日本で買うと大体3000円くらいです。各記事に出ている写真を見る限り、Intel Galileo Boardはそこまで安くないんだろうなぁ、という印象です。とはいえ、この手のボードは100ドルしないのが通例ですから、販売されるとなると60ドルから80ドルくらいでしょうか? 日本円で1万円以内で買えるなら手を出してみるかもしれません。→2013年10月12日追記:60ドル以下を予定しているそうです。おそらく日本円でも1万円は割るでしょう。
命令セットはやはりPentium互換だとのことで、Intel 64のサポートはありません。先日「Intel Quarkの正体は80386?それともPentium?」において、
私としては、
- Intel Quarkは32ビットプロセッサーである。
- Intel QuarkはPentium(P54C)をベースとする。
と予測します。
としましたが、その部分についてはその通りでした→2013年10月7日追記:仕様書をしっかりと確認したところ、Pentiumでも80386でもありませんでした。ということで、「プロセッサ-マイコン:Intelが“iPhone 5sのA7”と同じ64ビットSoC「Quark」を発表――マイコン市場を脅かすか? – EE Times Japan」において、Intel Quarkを64ビットとしていた点と、Intel 80386ベースであるとしていた点は否定されました。
ちょうど最近マイコンに興味がわいているところにこのニュースで、なんだかとてもうれしくなってしまいました(私の使用目的はGPIOが使いたいということなので、これでもなんとかなりそうです)。
FAQに2013年11月29日くらいから取り扱うディストリビューター経由で提供されると記載があるので、12月くらいになれば日本でも普通に買えるといいなぁ、と期待しています。それまでに別のボードに手を出してしまう可能性もゼロではなかったりしますけど… 🙂 Intel Quarkにどれくらい興味を持ち続けられるかどうかが、買うかどうかの分かれ目になりそうです。
以下に「Product Brief – Intel Galileo Board」を参考に、仕様関連を抜粋して載せておきます(Galileoではなく搭載されているQuarkそのものの仕様については、別ページ「Intel Quark SoC X1000自体の仕様」にまとめました):
※Sketch = ユーザー作成のプログラムのことです。
物理特徴
- 10センチメートル×7センチメートル
- USBコネクター、UART(非同期シリアル)ジャック、Ethernetコネクター、電源ジャック
- ケースなどに取り付けるための4か所のネジ穴
- デバッグのための標準10ピンJTAGヘッダー
- 「Sketch」や付随する「Shield」をリセットするためのリセットボタン
通信仕様
- 10BASE-T/100BASE-TX Ethernet RJ45ポート
- USB 2.0 クライアントポート
- USB 2.0 ホストポート
- RS-232 UARTポートと3.5ミリメートルジャック
- USB 2.0 ホストをサポートするMini PCI Express(mPCIe)スロット
プロセッサー仕様
- 400MHz 32ビット Intel Pentium命令セット互換
- 16キロバイトのL1キャッシュ
- ダイに統合された512キロバイトのSRAM(キャッシュではない)
- プログラムをシンプルにできる : シングルスレッド、シングルコア、固定速度
- ACPI互換CPUスリープステートをサポート
- 3Vコイン電池(オプション)で維持可能な統合されたリアルタイムクロック(時計)
ストレージオプション
- 8メガバイトのレガシーSPIフラッシュにファームウェア(ブートローダー)と「Sketch」を格納
Sketchのストレージとして256キロバイトから512キロバイトを占有する - 512キロバイトの組み込みSRAM
- 256メガバイトのDRAM
- 32ギガバイトまでのmicro SDカード(オプション)をストレージとして使用可能
- USB 2.0互換ドライブとしてUSBストレージを使用可能
- EEPROMライブラリーを経由して11キロバイトのEEPROMをプログラム可能
Galileoをターゲットとするソフトウェア
Arduino IDEソフトウェアでGalileoで動作する「Sketch」と呼ばれるプログラムを作ることができる。電源を接続してGalileoのUSBクライアントポートに開発用のパソコンを接続し、IDEのインターフェースを使用して「Sketch」をアップロードすることができる。「Sketch」はGalileo Board上で実行され、Arduino I/Oアダプターを用いて、ボードのファームウェアに含まれるLinux Kernelと通信を行う構造となっている。
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