インテルがIoT向けゲートウェイ開発キットを発表

インテルがInternet of Things(Iot)向けのゲートウェイ開発キットを発表しました:

見た目がルーターのようですが、これは必要な処理を行うネットワーク対応のデバイスであり、分類としてゲートウェイに位置することを意図する開発キットです。ルーターのように、パケットを設定に沿ってルーティングするのではなく、それよりも上のレイヤーのデータや自身に接続されたセンサーなどのデバイスから得られるデータを処理し、その後必要に応じてゲートウェイするためのものです。

インテルIoTソリューションズ事業開発部プラットフォーム事業開発の安齋尊顕事業開発マネージャーが登壇した(写真6)。「IoTは言葉が先行している印象で、ビジネスのイメージを持っている人は少ない。IoTデバイスはそれ自身が目的やビジネスにならない。IoTで得られたデータを価値に変えないと意味がない」

※前者のITproの記事より引用

これについては全くもって同感です。データがそのままでは意味がないのは従来からも同じですが、データベースにデータを入れる際に正規化を(意識しているかしていないかにかかわらず)行っており、これによって意味を持たせているのと同様に、IoTで得られたデータについても、その生のデータ(Raw Data)を加工して意味のあるデータ(Cooked Data)に変える必要があります。

今回のこのゲートウェイ開発用キットはその一部を担うものであるわけですね。

搭載するプロセッサーについては、以下のようにIntel Quark SoC X1020DIntel Atom E3826を採用しています:

IoTゲートウエイ開発キットは「DK 100」「DK 200」「DK 300」の3モデルある(写真1)。DK 100とDK 200は低消費電力プロセッサーのQuark SoC X1020Dを搭載。DK 300はQuarkより性能の高い組み込み向けのAtom E3826を搭載する(写真2、写真3)。

※前者のITproの記事より引用

それぞれのモデルは以下の用途を想定しています:

IoTを実現するための製品の第1弾としてIoTゲートウェイ開発キットを提供する。エネルギー業界の利用を想定した「DK 100」シリーズ、運輸業界向けの「DK 200」シリーズ、さまざまな業界で利用できる「DK 300」シリーズの3種類を用意している。価格は未定だが、数千ドル程度となる予定だ。

※後者のZDNet Japanの記事より引用

これは業務用の開発キットということで、そこそこよいお値段のようです。これは機器代のほかにも一定のサポートなどの費用が含まれているとみるべきでしょう。いうなれば、ゲーム専用機の開発機が量産型ゲームより常に高価であるのを想定するとわかりやすい構図かもしれません(?)。

量産時にはこの基板がそのまま転用できるのか、開発キットに含まれる設計図をそのまま流用できるのかは特に記載はありませんが、通常のパソコン用のボードでは設計関連情報が提供されることを考えると、これも同様の扱いになるのではないかと思われます(ちなみにインテル Galileo 開発ボードでは設計情報の多くが一般公開されています)。

今回発表された開発キットのうち「DK 100」がコードネームCross Hill、「DK 200」がコードネームClanton Hillではないかと思われます。そう考えると、各キット固有の特徴について、既存のIntel Quark関連の公開情報からある程度知ることができます(たとえば「DK 200」には加速度センサーがついており、オーディオ・サブシステムがある、など)。

DK 100とDK 200には、組み込み向けSoC「Quark」が含まれている。Quarkはx86ベースの64ビットSoC。

※後者のZDNet Japanの記事より引用

この開発キットに搭載されているのはIntel Quark SoC X1020Dであり、32ビットのCPUコアを採用しています。あまり知られていないCPUコアのようで、この記事に限らず、よく誤って記載されることが多いです。

動かしていいものを動かさない、シンプルなシステムとすることで通常必要なパターンファイルの更新作業の必要がなくなる

※後者のZDNet Japanの記事より引用、下線強調は筆者による

ちょっと意味が分からなかったのですが、ホワイト・リストによる動作の話ですから「動かしていいものしか動かさない」とでも読めばいいでしょうか?

今回提供するソフトウェアにはHypervisorが含まれるが、「不具合が起こっても、Hypervisorで別システム化して動かせる構造になっている」(ウインドリバー 営業技術本部 本部長 志方公一氏)と万が一を想定している。

※後者のZDNet Japanの記事より引用

3機種のうち1機種がIntel Atom E3826を採用しており、この仮想化機能を持ったAtomを使用した1機種でのみハイパーバイザーを動作させることができるのではないかと思われます。

一方でIntel Quark Core(Lakemont Core)には仮想化機能がないため、従来の意味でいうところのハイパーバイザーは実行できません。もしもこのプロセッサーの上でもハイパーバイザーを実現させるとなると、仮想化機能がプロセッサーに統合される前のVMwareやVirtual PCのようにバイナリー・リライティングを行うか、OSを準仮想化対応とし、ハイパーバイザーとOSで協調して動作させるなどの方法が考えられます。が、しかし、おそらくはAtomでのみ、この機能が提供されると考えるのですが、いかがでしょうか?

さて、最後に一つ気になったことがあるので一応触れておきます。

記事中に今回の発表で使われたスライドが掲載されている部分があるのですが、そのスライド中に「無断での引用、転載を禁じます」と記載があります。しかし、日本国著作権法では引用を一定条件下で認めていますので、その範囲内であれば引用をIntel Corporationに許可を得ることなく行うことができます。にも関わらず、このような牽制的な記載がなされていることは残念に思いました。

関連記事