Microsoft Corporationの新CEOと新会長の決定

2014年2月4日午前6時1分(現地時間)、米国Microsoft Corporationは新しい最高経営責任(CEO)に、サティア ナデラさんが就任すると発表しました:

スティーブ バルマーさんが1年以内にCEOを辞任すると発表してから約5か月での決定となりました。Microsoft Corporationとしては、後期の社内方針を告知する時期に差し掛かっており、タイミングとしては今が適切だという意見がいくつかの記事で見られましたので、そういうことなのだろうと思います。

今回のこのニュースに触れるまで、このサティア ナデラさんという方に注目はしていなかったので、昨日、今日といろいろとニュースを読んでいる状態です。

今回の発表の前にもこの方が新しいCEOになるのではないか、というニュースはいくつか出ていました:

このあたりで最有力候補はナデラさんではないかという観測(ブルームバーグ発)が出ていましたが、根拠がちょっと薄いなぁ、と思いながら読んでいました。しかし、ウィリアム ヘンリー ゲイツ三世(ビル ゲイツ)さんの退任もこの段階では触れられており、結果として確度の高い記事でした。

そして正式発表後にはオンラインニュースサイトにこの話題の記事があふれ出しました:

社外からの人材登用ではなかったので、その意味ではMicrosoft Corporationとしてはドラスティックな「改革」よりも社内からの「変革」を望むという方向に舵を切ったのだろうと思います。しかし、それならばスティーブ バルマーさんであったとしてもそんなに問題がなかったのではないか、という気がしないでもありません。サティア ナデラさんがどのような人物かよくわかっていないのためにそういうような印象を持っている可能性もありますが…。

また、ビル ゲイツさんが取締役会長を退任し、Technology Advisor(技術相談役)に就任するというのも大きな点でしょう。しかも、従来よりもMicrosoft Corporationに費やす時間を増やすとのことです:

ゲイツ氏は会長職を退き、スティーブ・バルマーCEOの後任として4日に3代目CEOに指名されたマイクロソフト歴22年のベテラン、ナデラ氏の技術アドバイザーとなる。ゲイツ氏は主に慈善活動に充ててきた自身の時間の最大3分の1を使い、マイクロソフトの製品戦略を策定するナデラ氏に助言をする。

マイクロソフトへの処方箋―ビル・ゲイツ氏の役割拡大WSJ.com」より引用

そしてビル ゲイツさんが退任した会長にはジョン トンプソンさんが就任するとのことです。

この体制からは、Microsoft Corporationの経営はやはり技術の裏付けがある判断ができるものに任せる、というような意思があるように思います。創業者のビル ゲイツさんはコードを書ける人間でした。次のCEOになった、スティーブ バルマーさんは営業畑の出身者です。その人が退任した後は、やはり技術を理解するサティア ナデラさんになり、その技術相談役にビル ゲイツさんが就くわけで、私としては前述のように感じたわけです。

営業畑の人間はコモディティ商品を売るのには適していますが、新たな局面に切り込んで新たな製品を作り出すのには向いていない側面があると技術系の人間である私には思えています。スティーブ バルマーさんの退任や、社外の著名経営者の登用ではなく、社内からの登用に至った理由は、そういった部分をMicrosoft Corporationは変えたいと考えたということだったのかもしれません。

逆に言えば、それ以外の部分は盤石であるという考え方が根底にあるとも思えます。

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