iモード通信網の他社開放

NTTドコモからiモード対応携帯電話用パケット網インタフェース提供条件の概要を公開というプレスリリースが出ています。

この公開されたiモード対応携帯電話用パケット網インタフェース提供条件の概要によれば、

  • ユーザーは任意のISPと契約を取り交わすことにより、現在使用しているiモード対応移動機(一部を除く)からNTTドコモのパケット通信網を経由してISPが設置するiモードサービスではない類似のサービス提供を受けることができる。この際、必要な設定を移動機に行う必要がある。
  • ユーザーとISPの契約をNTTドコモは感知しない。これに伴って料金の代行徴収も行わない。
  • ユーザーは複数のiモードおよび類似サービスを契約することができる。ただし、それらの使用にあたっては移動機の設定を随時変更する必要がある。また現状の移動機は1つの設定しか保持できない仕様となっている。
  • ISPはNTTドコモとの間に高速ディジタル専用線(1.5Mbps~6.3Mbps)で接続を行う。
  • ISPとの接続に伴い、NTTドコモのネットワーク設備に工事が必要な場合、その費用はISPが負担する。
  • NTTドコモとISPの間の専用線の料金負担はISPが行う。
  • iモード類似サービスへの接続料金はパケット網に関してはNTTドコモへの支払いが発生する。この際の支払いはユーザーが負担することもISPが負担することもできる。この切り替えはHTTPあるいはプッシュ型サービスの1リクエスト単位で切り替えることができる。
  • ISPはユーザー移動機の電話番号および位置情報を受け取ることができる。(ユーザーが認めている場合に限る。)位置情報は現在のところPDC機に限られます。FOMAは今後の展開次第のようです。
  • その他の基本的な機能はiモードサービスと同様となる。例えばCompact HTMLの仕様、メールの仕様、メロディファイルの仕様等。

といったことや、実際の技術面に関することが記載されています。(興味がある方はページ数も少ないので実際に読んでみると良いかと思います。)

パケット料金は通信事業者としてのNTTドコモ収入となるため、現状と変わりません。ユーザーにとって大きく変わるのがポータルサイトの構成と、そのポータルサイトから辿ることのできるコンテンツということになります。また、メールのドメイン名(あるいは暗黙のドメイン名も)が変わることも大きいといえば大きいでしょう。

一方、ISPはユーザーの獲得活動、コンテンツの獲得活動、NTTドコモとの間の専用線の維持等の負担を行いつつ、サービスを提供することになります。事業が軌道に乗るまでは非常に苦しい活動になりそうに見えます。ユーザーから月額の使用料を別途徴収する場合は、iモードとの兼ね合いから200円程度が上限となるでしょう。あとはユーザーがどの程度コンテンツ使用し、そこから利益を生み出すか、といったことになりそうです。また一般的なPCを相手にしたISP事業を行っているISPであれば、また別の方策もあるかもしれません。1つのメールアドレスでPCと移動機の2つを透過的に使えたり、料金の負担をシェアしたり、といったことです。

あと、これを読んでいるとNTTドコモと契約できるのは第1種あるいは第2種通信事業者とされています。このことから、他キャリア、例えばJ-SKYWebのサービスをiモード向けに行う、なんていうようなことも考えることができるのかもしれません。実際に行われるかどうかは別として。

そのうち出てくるであろう新サービスに注目していきたいと考えています。

なお、iモード関連機能やiアプリの仕様は端末側によるものであるため、契約するサービスによって機能が変わるということはありません。それをどのように活用するかという点は変わってくるでしょうが。

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