Ralinkチップ搭載無線LANアダプターはLinuxで使用すべきでない

はじめに

先日書いた“インテル Galileo 開発ボードでWi-Fi/BTを適法に使用する方法の実践”でUSB 2.0接続の無線LANアダプターをインテル Galileo 開発ボードでの使用方法を説明し、その後この方法には懸念があることを“インテル Galileo 開発ボードでWi-Fi/BTを適法に使用する方法の懸念”で書きました。

このRalink Technology(現・MediaTek)製のチップを搭載したUSB 2.0接続の無線LANアダプターである株式会社バッファローWLI-UC-GNM4981254668078)ですが、これがLinux Kernel 3.8.7採用の環境でどのように動作するのかを追加で調査してみました。

今回はそのことについて書いてみたいと思います。

おことわり

  • 筆者は法令の専門家ではありません。
  • 該当製品の保障規定については考慮していません。お読みになった方が各自でご判断ください。
  • 内容について何ら保証するものではありません。

WLI-UC-GNMの状況の確認

この無線LANアダプターWLI-UC-GNMの仕様は以下のページで確認することができます:

このページによると、使用する周波数範囲は「2412-2472MHz(1-13ch)」であることがわかります。

続いて、このWLI-UC-GNMの技適の認証状況について確認してみます。目を細めてこの小さな無線LANアダプターを見つめると003WWA100448と読み取れました。

この認証の状況は以下のページで確認できます:

これによると、「電波の型式、周波数及び空中線電力」は以下の通りで認証を得ています:

G1D 2412~2472MHz(5MHz間隔13波) 0.01W/MHz
D1D,G1D 2412~2472MHz(5MHz間隔13波) 0.0052W/MHz
D1D,G1D 2422~2462MHz(5MHz間隔9波) 0.0024W/MHz

LinuxにおけるWLI-UC-GNMの動作状況

ここまでに確認したことを念頭にLinuxでの動作がどのようになっているかを確認してみます。

今回は“インテル Galileo 開発ボードでWi-Fi/BTを適法に使用する方法の実践”で作成した環境をそのまま用いています。

インテル Galileo 開発ボードに無線LANアダプターWLI-UC-GNMを接続して起動し、電波の帯域を確認してみます:

root@clanton:~# iwlist wlan0 channel
wlan0     14 channels in total; available frequencies :
          Channel 01 : 2.412 GHz
          Channel 02 : 2.417 GHz
          Channel 03 : 2.422 GHz
          Channel 04 : 2.427 GHz
          Channel 05 : 2.432 GHz
          Channel 06 : 2.437 GHz
          Channel 07 : 2.442 GHz
          Channel 08 : 2.447 GHz
          Channel 09 : 2.452 GHz
          Channel 10 : 2.457 GHz
          Channel 11 : 2.462 GHz
          Channel 12 : 2.467 GHz
          Channel 13 : 2.472 GHz
          Channel 14 : 2.484 GHz
          Current Frequency=2.462 GHz (Channel 11)

なんと、「工事設計認証」で許された範囲を超えて14チャネル(2.484 GHz)をサポートしてしまっています。これは先ほど調べた認証済みの周波数2412~2472MHz(2.412~2.472GHz)の範囲外です。

まとめ

調査の結果、明らかに「工事設計認証」を受けた際の条件を逸脱してしまっており、とても技適マークが有効であるとは言えません。つまり、この無線LANアダプターWLI-UC-GNMをLinux環境で使用することが適法であるとは言えません。

Ralink Technology(現・MediaTek)製のチップを載せた無線LANアダプター/ボードをLinuxで使用する場合には、新たに認証/認定を取り直す必要があり、そうでなければ不適法状態となりそうです。

私が“インテル Galileo 開発ボードでWi-Fi/BTを適法に使用する方法の懸念”で書いた懸念はあたっていたようです。

少なくとも、Ralink Technology(現・MediaTek)製のチップを載せた無線LANアダプター/ボードを日本で使用する際には、動作対象として使用対象のOSを製造元が認定しているものに限定しなければならず、その他のOSは使用するのを避けるべきでしょう。

その他のチップを採用している場合でも、製造元が指定した動作対象OS外で使用する場合には問題が発生しないかを注意深く確認する必要がありそうです。

いろいろと面倒ですが、法律は法律です。しっかり見ていく必要があるでしょう。

※株式会社バッファローはWLI-UC-GNMはLinuxでの動作を保証していません。このため、株式会社バッファローにはLinuxでの動作について一切責任はありません。
※実際に14チャネルで通信できるかどうかは確認していません。

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