最近では情報セキュリティ的な観点やクラウド的な運用の観点から、仮想デスクトップの導入が進んでいます。この中で、現時点ではなかなか仮想デスクトップ化が難しいのが3Dを含む必要がある用途です。この分野ではNVIDIAがかなり熱心に取り組みを行っており、ハードウェアが今春整い、ソフトウェアの整備を進めているという報道が以前ありました:
この記事から少し引用します:
このGPUの完全な仮想化は、2013年3月末現在では完成していない。現在、GPUのCitrixとNVIDIAが開発を進めており、6月ごろにリリースされるExcalibur(エクスカリバー)というコード名で開発が進められている次期XenDesktop/XenAppで、全面サポートされる予定だ。
ここで言っているエクスカリバーがテクニカルプレビューの段階までようやく到達したようです。この記事を以下に紹介します:
- [公式]Unleashing Virtual Graphics Citrix Tech Preview Puts GRID vGPU Within Easy Reach – NVIDIA Blog
- [公式]XenServer hardware GPU sharing technology preview is available for download! Citrix Blogs – The Citrix Blog
- NVIDIA GRID vGPUに対応したCitrix製品のテクニカルプレビュー版が提供開始に – クラウド Watch
この分野でかなりのシェアを持っているCitrix製品がNVIDIAの製品に対応することで、この分野への仮想デスクトップの導入が加速されていくことでしょう(まだ製品版ではなくてプレビュー版ですけれど)。
後者の石井 一志さんの記事から少し引用します:
デスクトップPCにGPUを搭載するのと同じように、100%のグラフィックスAPI互換性が得られるので、ユーザーはWindows Aero、Office 2013、HTML5、Adobe Photoshop、Autodesk AutoCADなどのアプリケーションを、仮想環境で快適に利用可能になるという。
こういった幅広い分野で100%互換が謳われた3D APIが使用できると、仮想デスクトップの適用分野も相当広がりそうです。ローカルにワークステーションを必要とする業務をかなり減らすことができそうですね。
さて、技術的なことですが、方法としてはレンダリングはサーバー側でタイムシェアリングでフレームごとに切り替えるそうです。ハードウェアとしてはIntel Xeon※1を用いてハイパーバイザー内でWindowsを稼働させ、そこにNVIDIA GRID K1 GPUあるいはK2 GPUを装着したものを使用します。
なお、現時点ではWindows 8および8.1は使用できないそうです。Direct3D(DirectX) 11.1/11.2導入によりインターフェースの変更の影響が生じているのかもしれません。
- GRID認証サーバー製品にAMD Opteronを搭載したものはありませんでした。Intel Xeonファミリーを使用することがNVIDIAによる認証条件なのかもしれません。あるいは、Intel CPU製品とAMD CPU製品では仮想化機能に互換性がないので、それが影響している可能性もありそうです。