スペシャルタスクチームの軌跡

はじめに

今回はスクウェア・エニックスによるオンラインゲーム『ファイナル・ファンタジーXI(FFXI・FF11)』において各種不正を取り締まるために結成された『スペシャルタスクチーム』による(ものと思われる)数ヶ月の活動状況を見てみたいと思います。

2006年11月から2007年3月までの活動

スペシャルタスクチームの発足を告知する『スペシャルタスクチームからのお知らせ (2006/11/06)』があった後の処分の告知を以下に示します。

日付 移動 モンス マクロ アイテム 再入会 RMT 退会 停止 ギル 参照先
2007/03/22 1,050 500 2,650 2,500 1,200 6,800 1,100 134億 規約違反行為者への一斉対処について(3/22)
2007/02/21 750 1,900 650 1,450 250 4,000 1,000 50億 規約違反行為者への一斉対処について(2/21)
2007/01/25 2,300 850 1,850 1,100 6,100 172億 規約違反行為者への一斉対処について(1/25)
2006/12/20 400 4,400 100 2800 7,450 250 62億 規約違反行為者への一斉対処について(12/20)
2006/11/24 1,100 6,400 4,000 9,000 2,500 450億 規約違反行為者への一斉対処について(11/24)
※表中の意味はそれぞれ、移動=不正な移動手段、モンス=不正な方法でモンスターを占有、マクロ=不正なマクロやツールで特定の操作をひたすら繰り返していた、アイテム=不正な方法でアイテムを得ていた、再入会=強制退会後に再度入会していた、退会=規約違反により退会処分とされた、停止=規約違反により会員資格一時停止とされた各件数と、ギル=規約違反として没収したギルです。

このように毎月下旬に告知が行われています。曜日についてもバラバラでしたので、特に期日を区切っての処分ということではなく、個別の検討を丁寧に行った上で処分と告知を行っているように見えます。いずれにしても毎月これだけの処分を行う労力はかなりのものであろうと推測します。この点だけでもスペシャルタスクチームの活動はしっかりしたものであると思えます。

表が見難くてすみません。あとでどうしたら思い通りに表示できるのか調べてみます(^^;

不正な方法でのアイテム取得

2006年12月20日の発表に限り、「不正な方法でアイテムを取得していた」というものがあります。具体的にどのような手法が取られていたのかはわかりませんが、その後の挙動の変化を見る限り、競売がらみで何かあったのかなぁ、と勝手に思っています。どうなんでしょうか。しかし、いずれにしても問題があったのはこの5ヶ月間で1回だけのようであり、対策数も他の件数と比較して100と軽微であることから、日ごろの各種ステータス監視業務およびそれをサポートするツール類がかなりしっかりしている可能性が推測できます。

回収されたギル

やはり初回に行われた回収が一番多く、翌月はかなり減っています。そこからさらに翌月に一度戻すものの、それも回収されてしまい、また翌月は少なくなり、そこからまた稼いで・・・。というサイクルを繰り返しているようです。なお、上記発表による累計の回収額は 868 億ギルです。 10 万ギル= 300 円のレートとしても、2億6040万円分の商材がスクウェア・エニックスの判断によって RMT 業者の手から消えたことになります。さすがにかなりの打撃なのではないでしょうか。これに懲りて撤退した業者も複数存在しているようです。

これらの処分の影響からか、インフレから一転、デフレが続いているヴァナ・ディールですが、そろそろ底が見えてきたように感じています。少なくとも、私のプレイしているワールドでは物価は下げ止まりつつあるように見えますし、物によっては値上がり傾向すら見られます。しかし、従来高価であったものの一部は「プレミア度」の減少からまだまだ値下がりが続きそうなものもあります。ただ、これはデフレとは別の見方をしなければならないでしょう。

強制退会後に再入会が判明

以外に多いな、と感じたのがこの強制退会後の再入会です。この5ヶ月間の再入会が判明した合計は 8,600 件です。さらに、これにこの期間に退会処分になった件数の合計 33,350 件で、退会処分比で 25.7 %にも及びます。

RMT に関係したことが判明

これは販売だけではなく、購入していたアカウントにも及んでいると噂されています。一部の掲示板ではアカウントが停止されてた旨の書き込みを散見しました。しかし実際にどのようになっているのかは現在の発表では不明状態です。しかしながら、少なくとも販売側のアカウントは処置の対象になっていることは間違いないでしょう。

強制退会

最初に 9,000 件あった強制退会処分も、翌月には減り、さらに翌月には減り、と順調に減り続けていたのですが2007年3月22日の発表ではまた増えています。また「ほとぼりの冷めた頃に」ということで戻ってきた RMT 業者がいたのかもしれません。

まとめ

スペシャルタスクチームによるゲーム世界「ヴァナ・ディール」の浄化作戦は順調に推移しているように感じています。以前にこのメモ(MMORPG の FFXI に規約違反対策のための特別チーム)で書いた

今後スペシャルタスクチームが不正ツールに対しても監視の目を光らせ、 RMT や他ユーザーのプレイに影響を与えるものを優先して対策に力を入れていくとしており、期待して見守っていきたいと思います。

という期待に十分答えを出しているように感じています。

今後も活動を続け、正常なゲーム世界の維持に力を尽くしていただきたいと思います。

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