Samsung Electronicsによる3D NANDの発表

【Flash Memory Summit 2013レポート】3D NANDフラッシュ、華々しくデビューPC Watch

Samsung Electronicsによる3D NANDの発表をメインとした福田 昭さんによる記事です。

SanDiskの講演で興味深かったのは、記憶密度(GB当たりのシリコン面積)において競合他社よりも優れていると主張したことだ。それも競合他社の3D NANDフラッシュ技術(第3世代)と、SanDisk(および東芝)の1Znm世代プレーナNANDの記憶密度はほぼ同じくらいだとする。

この場合、先端プロセスで作った密度の高い(=記憶セルの小さい)NANDと、それと比較して緩いプロセスで作った3D NANDでは、後者の方が耐久性が高い、ということにはならないのかどうかが気になります。もっとも、SanDiskはSSDではなく、USBメモリやSDカード系のメモリがメインビジネスでしょうから、そのあたりの捉え方に差があるのかもしれません。※1


  • SSDの方が書き換え回数について制約が多く、相対的にUSBメモリ・SDカード系は少ないといわれています。

Samsung ElectronicsのV-NAND

後藤弘茂のWeekly海外ニュース – Samsungが発表した「V-NAND」でフラッシュの時代が明けるPC Watch

後藤 弘茂さんの連載記事で、今回は3D NAND、その中でもSamsung Electronicsの発表、それによって何が起こるかについての考察、それに同業他社の状況についてです。この中でも私が注目したのは以下の箇所です:

まず、(1)3D NAND化によって鈍化していたNANDフラッシュの大容量化が再び推進される。(2)NANDのビット単価の低下が速まることでSSDの大容量化が進み、ノートPCとデータセンターのディスクレス化に拍車がかかる。(3)データセンターのNAND化によりIOPSが大幅に改善されることでビッグデータ対応が進む。一方、(4)NANDメーカーは揃って3D NANDへと向かうが、技術的に追従できないメーカーはふるい落とされる可能性が出る。(5)ReRAMなどポストNANDを狙う新メモリ技術は、3D NANDによってNANDの置き換えが遠のく。そのため、NANDを補完する役割への浸透を狙うことになる。(6)NANDが大容量化の方向を微細化から積層化に転じ始めたことで、プロセス微細化の牽引力が弱まり、半導体機器への需要が変わる。

確かに大きな動きの原動力になるなぁ、と実感できます。同じ後藤さんの2012年8月29日の記事で「後藤弘茂のWeekly海外ニュース – DRAMとNANDフラッシュが終わり、新不揮発性メモリの時代が来る」というのがありましたが、NANDはここでは終わらず、まだ先に行くということが明確になったというところなのでしょう。※1 実際に動作するSSDまで用意してデモしたという完成度には驚くばかりです。技術的にだいぶ先行しているように見えます。


  • 後藤さんの記事は今回はNANDベンダーとレポートを元にベクトルをかけずに伝え、また以前のNANDが終わるという記事では新不揮発メモリ開発側のレポートを元にベクトルをかけずに伝えているので、彼の記事そのものが相互に矛盾しているわけではありません。

さて、これはなんでしょう?

HTML Tags

これは記事ではないのですが…。さぁ、いったいなんだかわかりますか?

HTMLとHTTPの発明者であり、最初のWebブラウザーの開発者であるTim Berners-Leeさん※1HTMLについて説明するために作成したページです。最初期のHTML公式説明ドキュメントです。

いまでも保存されているのですね。


  • Sirをつけるべきかもしれません。

Intel CPUを搭載した新しいHP ProLiant MicroServer

“自働化”を実現した新型マイクロサーバー「HP MicroServer Gen8」の管理機能を試すクラウド Watch

山本 雅史さんによるHP ProLiant MicroServerのIntel CPU搭載版であるGen 8の紹介記事です。

それよりも気になったのが、前回の記事でも触れたように、6GbpsのHDDが2台、3GbpsのHDDが2台という構成だ。

これには同意します。外部チップを付けてでもすべて対等な速度であった方がよかったと思います。

それはそうとして、本体価格よりオプションやソフトウェアの価格の方が高いのはサーバーの世界では割と普通です。RAID 5が必要であればオプションで導入できるのはメリットであり、視野外に置く必要はないのではないかなぁ、と思いました。

NSA長官が技術者向けカンファレンスで発表

NSA長官がハッカーカンファレンスで講演市販製品を利用? 米国政府のネット情報収集手法が判明TechTarget Japan

NSAの長官が「敵」※1のまっただ中で発表を行ったという興味深い記事です。

アレクサンダー氏は、「事実に耳を傾け、マスコミの報道を何もかもうのみにしないでほしい」と訴え、こう締めくくった。

これはその通りで、複数の情報ソースから情報を得て自分で判断する必要があるということです。つまり、対立する双方の意見をうのみにする必要はないにしても聞かなければならないのです。ある程度のベクトル※2がかかっているにしても、その中には相当な真実も入っているはずだからです。

片方が気に食わないからと言って一方が配信する情報に耳をふさいで、自分の気持ちのいい情報だけを受け取り続けると、知らず知らずの間に見識が偏ることになります。そのことに気付けているかどうかが、この情報の洪水の中で生きなければならない現代人の生命力にかかわってくると私は考えています。

もちろん、このページの情報も私の主観に左右されているので結果としてベクトルは当然かかっています。

※最初に私が見たときは会員登録不要だったのですが、のちに変更されたようです。書いてしまったのでそのままにします。※3


  • 「」でくくっている通り実際は敵ではありませんが、スノーデン容疑者の件もあり、一部主義主張上というか、ポリシーというか、そういうもので敵対しているかと思ったので「敵」と表現しています。
  • ここでいう「ベクトル」とは「情報の意味を指し示す方向性」という意味合いで使っています。
  • 基本的に会員登録が必要なページは紹介しない予定です。

ハッカーとスパイの出会う場所

ハッカーとスパイが交流する場所ウォール・ストリート・ジャーナル日本版

DANNY YADRONさんの記事の翻訳版です。政府機関とハッカーとの接触についてで、有能なスタッフとなりえる人材を政府機関がこういった場で探している、という話です。

この記事からは最後の1文を引用します:

ある時点で当局者の1人が、ハッカーやセキュリティーの専門家、数人の記者で構成される50人の聴衆に向かって、政府で働くことなどあり得ないと考えている人はいるかと尋ねた。手を挙げたのはたった1人だった。

なんだかんだと言って、結構政府に信頼を寄せているのかなぁ、と思える結果です。

日本ではどうなんでしょうね。情報関連の政府機関員がスカウトをしているのでしょうか? それとも各都道府県警察が募集をしている特別捜査官やサイバー捜査官くらいなのでしょうか? いずれにしても、機関内部でゼロから技術者を育成するのはコストとリスクが高すぎるので、民間から有能な者を登用しようとするのは正しい方向性なのだろうと思います。

Webページ・コメンタリーとは

評価に値する文筆家は怪しい造語を作らないそうです。私はそうではないので怪しい造語「Webページ・コメンタリー」を提唱します。あちらこちらのWebページを紹介しつつ、自身でコメントを付けていくページを「Webページ・コメンタリー」と定義します。もともとの意味のWeblogに近い概念かもしれません。※1しかし、今日(こんにち)のWeblogは、必ずしも当初のWeblogとは意味が同じとは言えない状況にあります。そこで、当初の意味でのWeblogとほぼ同じようなものを再定義し、「Webページ・コメンタリー」と呼ぶことにします。

もっともInternet全体に広めようとか、そんな大それたことは考えておらず、このサイトではそういう意味で使います、というくらいの軽い意味合いで受け取っていただければと思います。

主目的は自分でそのときに何を見ていたのかを記録することにあり、時間がある時に「Webページ・コメンタリー」として時々掲載していく予定です。


  • 2002年7月25日掲載のINTERNET Watchの記事「米SalonがUserlandと提携、“Weblog”サービスを提供」から引用します:

    Weblogとは、インターネット上に個人が公開する日記の一種で、プライベートな内容を記すことよりも、むしろ話題となっているインターネット上のニュースを引用し、コメントや批評を加えたり、新しい視点を提供するといった方向性を持っているコンテンツの総称である。Weblogではニュースサイトへのリンクを気軽にはることができるため、時に誰も目に留めなかったニュースに世間の注意を引きつける役割を果たすこともあり、インターネットジャーナリズムの新しい潮流として注目されている。

    ここに記載のある当初の意味でのWeblogが、今回の私の提唱に極めて近いものを指しています。

    この話は11年も前のことです。というわけで、ふと思ったのですが、もしかすると「Blog(ブログ)」が「Weblog(ウェブログ)」の短縮形だということを知らない方もいらっしゃるかもしれませんね。

うっかりのIntelさん

AKIBA PC Hotline!で「仕様ミスの「お買い得Xeon」が販売、初期ロットのみスレッド倍増」という、なかなか見られない面白い記事が出ていました。※1

該当の「Intel® Xeon® Processor E3-1225 v3 (8M Cache, 3.20 GHz)」は、確かにスペック上4コア4スレッドなので、4コア8スレッドは本当にお買い得ですね。

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ソフトウェアRAIDとハードウェアRAID

はじめに

最近はハードディスクおよびSSD(以下、ハードディスクに略記)の価格低下と動画などの大容量データの普及に伴って業務以外でも使われることが多くなったのがRAIDです。一般には、複数のハードディスクにデータを分割して読み書きすることで速度向上と容量の増加を狙うRAID 0※1、2つあるいはそれ以上のハードディスクに同じ内容を同時に記録することで耐障害性を高めるRAID 1、3台以上のハードディスクに分散してデータとパリティをストライピングして読み書きすることで耐障害性(RAIDグループ内に1台までの故障に耐える)と読み出し高速化を狙うRAID 5が使われることが多いのではないかと思います。

これらのRAIDの処理を行う分類において「ソフトウェアRAID」と「ハードウェアRAID」がありますが、これらの分類はかなり曖昧なものです。分類の仕方や文脈によって大きくグループ分けが変わることがあります。それについてちょっと書いてみたいと思います。
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MMXテクノロジーに関する誤解

はじめに

MMXテクノロジー(以下、MMXと略記)は1997年1月9日にIntelが正式発表※1した「Pentium Processor with MMX Technology(日本での通称MMX Pentium、英語圏ではPentium MMX)」にIA-32史上初めて搭載された、SIMD(Single Instruction Multiple Data : 1命令複数データ処理)命令です。

MMX自体は、もう少し早く1996年3月か4月くらいには発表されていたはずです。※2 そのため、MMX Pentiumの発売前に対応ソフトウェアが発表される※3などしていました。

特徴は、

  • SIMDであり1命令で複数のデータを同時に処理できること
  • データのあふれに対してキャップをかけられること
  • 対象となるデータは整数演算に限られること
  • 使用するレジスターはFPUと兼用であること

などです。
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