ハードウェア」カテゴリーアーカイブ

ハードウェアに関するカテゴリーです。

富士通のSPARCサーバー

富士通とオラクルが目指すSPARC/UNIXサーバーの未来ASCII.jp - TECH

渡邊 利和さんによる連載記事「富士通のUNIXサーバー、かく戦えり」からです。

この富士通のUNIXサーバーは信頼性に重きを置いたもの※1なので、そういった分野では重宝されています。また、SunOS(Solaris)は一時期大きなシェアを持っており、私も使っていたことがあります。1990年代後半、Webサーバーを立てるならSunOSでしょう、という時代もありました。

現在ではUNIXに対して“プロプライエタリ”というイメージが出来上がってしまっており、一方で「オープンソースを使いたい」という顧客ニーズもあります。そうなると、OSがUNIXであるというだけで選択肢から外れてしまうことになるので、SPARCサーバーのLinux対応は今後考えていくべき課題であることは確かです。

オープンソースという点にこだわる顧客も確かにいるでしょうが、SunOSの経験がないからLinuxの方がいい、あるいは使いたいソフトウェアがLinuxに対応しているがSunOSには対応していないとか、そういったニーズもそれなりにありそうな気がします。


  • 連載2回目の「SPARCプロセッサとメインフレーム、「京」の関係とは? (2/2)」に以下のような記載があります:

    メインフレームのプロセッサは「RAS(信頼性、可用性、保守性)」を実現する技術、機能が充実しているのが特徴ですが、富士通ではこの強力なRAS機能をほぼそのままSPARCプロセッサにも組み込んでいます。同じ開発部隊が担当していることの強みですね。

    つまり、このSPARCを採用したマシンはメインフレーム並みのRAS特性を備えているということですね。

    一般的なPCサーバーではまだ到達しにくいところですが、最近Intelが上位Xeonに対してItanium 2に搭載されているRAS機能を移植搭載しつつあるため、いずれ追いつくかもしれません。

夏休み前後のRAID障害対策

夏休み前後にありがちなRAID障害、傾向と対策は?INTERNET Watch

半分PR記事かな~、と思いつつ興味深いので紹介する高橋 正和さんによる記事です。

特に回転し続けるハードディスクは、気温が高くなることで物理障害が増える。「夏は、春や秋よりも復旧依頼が10~20%程度増えます。特に今年は、暑くなるのが昨年より早く、依頼が大幅に増えると予測しています」と、データ復旧サービス「日本データテクノロジー」(サイト名は「データ復旧.com」)を手がけるOGID株式会社のエンジニアの西原世栄氏は語る。

通常、この手の業務用ハードディスクはデータセンターやサーバールームなどに設置され、一定の温度に管理されているものがほとんどだろうと思っていたのですが、そうでもないのですね。中小企業の事務所にそのまま置かれているタイプのサーバーがかなりの台数存在する、ということなのでしょうか?

ルネサスと任天堂の関係

鶴岡工場閉鎖で任天堂苦悩 Wii Uの未来に再び暗雲ダイヤモンド・オンライン

ルネサスエレクトロニクスの再編に伴って任天堂への影響が想定されるという記事です。

 鶴岡工場はルネサスのシステムLSIの主力製造拠点で、旧NEC系。ルネサスは台湾の半導体製造大手TSMCと売却交渉を進めたがまとまらず、2~3年以内に閉鎖することを決めた。

 なぜ、鶴岡工場の閉鎖が任天堂の痛手になるのか。それはWii Uの“命の石”ともいえる半導体を製造しているからだ。

ワンチップでロジックとDRAMを混載して製造しているため、他の製造施設に移しづらく、任天堂にとって状況がよくないということですね。実際にはいくつかの製造施設でオプションとして混載DRAMがあるにはあるのですが、物理設計をそのまま持って行って動くということはほぼないでしょうから、移設(移植)をするということはないのかなぁ、と思います。

任天堂としては、この2~3年の猶予の間に必要なチップをすべて製造するという手を取ることになるでしょう。うまく予測を立てないと過剰在庫あるいは機会損失ということに。

いずれにしても難しい決断になりそうです。

Intel 80286のA20マスクにまつわる話

はじめに

HMAの説明で80286の不具合として挙げられていることが多いA20マスクがらみの話。しかし、これは仕様であって不具合ではないという解説をしてみたいと思います。

※本稿では16進数表現を「0000h」のように終端に「h」を付けて表現します。数値の先頭が0から9ではない場合には0を補います。ただし、参考文献からの引用は原文通りとします。
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Intelによる最新SSDのアピール

Intel、最新SSDの詳細を解説 – 省電力化した「530」と”一貫した性能”を実現する「DC S3500」をアピールマイナビニュース

これは少し前の8月1日に掲載された、Intelが自社SSD製品に関して発表を行ったという記事です。

ヘイゼン氏によると数百というプラットフォームに対して、5,000以上のテストを実施しパフォーマンスを検証しているという。

それでも相性問題が出るときは出るのですけどね…。

実は手持ちのノートパソコンHP Pavilion dm1-4009AU パフォーマンスSSDモデルのSSD(Intel® SSD 320 Series (160GB, 2.5in SATA 3Gb/s, 25nm, MLC))を容量アップ目的で交換しようと、Intel® SSD 520 Series (480GB, 2.5in SATA 6Gb-s, 25nm, MLC)を購入しました。そして内容を全部移して問題なく起動して、すべては問題なく終わったように見えたのですが…。

マシンがスリープするとSSDが復帰できなくて、そのままブルースクリーンで落ちてしまうようになりました。BIOSのアップデート、ファームウェアのアップデート、ドライバーのアップデートなど、いろいろと手を尽くしましたが改善しません。同じメーカーのSSD同士の交換でも他の製品ラインだとやはり別物だということを実感した一件でした。

Samsung Electronicsによる3D NANDの発表

【Flash Memory Summit 2013レポート】3D NANDフラッシュ、華々しくデビューPC Watch

Samsung Electronicsによる3D NANDの発表をメインとした福田 昭さんによる記事です。

SanDiskの講演で興味深かったのは、記憶密度(GB当たりのシリコン面積)において競合他社よりも優れていると主張したことだ。それも競合他社の3D NANDフラッシュ技術(第3世代)と、SanDisk(および東芝)の1Znm世代プレーナNANDの記憶密度はほぼ同じくらいだとする。

この場合、先端プロセスで作った密度の高い(=記憶セルの小さい)NANDと、それと比較して緩いプロセスで作った3D NANDでは、後者の方が耐久性が高い、ということにはならないのかどうかが気になります。もっとも、SanDiskはSSDではなく、USBメモリやSDカード系のメモリがメインビジネスでしょうから、そのあたりの捉え方に差があるのかもしれません。※1


  • SSDの方が書き換え回数について制約が多く、相対的にUSBメモリ・SDカード系は少ないといわれています。

Samsung ElectronicsのV-NAND

後藤弘茂のWeekly海外ニュース – Samsungが発表した「V-NAND」でフラッシュの時代が明けるPC Watch

後藤 弘茂さんの連載記事で、今回は3D NAND、その中でもSamsung Electronicsの発表、それによって何が起こるかについての考察、それに同業他社の状況についてです。この中でも私が注目したのは以下の箇所です:

まず、(1)3D NAND化によって鈍化していたNANDフラッシュの大容量化が再び推進される。(2)NANDのビット単価の低下が速まることでSSDの大容量化が進み、ノートPCとデータセンターのディスクレス化に拍車がかかる。(3)データセンターのNAND化によりIOPSが大幅に改善されることでビッグデータ対応が進む。一方、(4)NANDメーカーは揃って3D NANDへと向かうが、技術的に追従できないメーカーはふるい落とされる可能性が出る。(5)ReRAMなどポストNANDを狙う新メモリ技術は、3D NANDによってNANDの置き換えが遠のく。そのため、NANDを補完する役割への浸透を狙うことになる。(6)NANDが大容量化の方向を微細化から積層化に転じ始めたことで、プロセス微細化の牽引力が弱まり、半導体機器への需要が変わる。

確かに大きな動きの原動力になるなぁ、と実感できます。同じ後藤さんの2012年8月29日の記事で「後藤弘茂のWeekly海外ニュース – DRAMとNANDフラッシュが終わり、新不揮発性メモリの時代が来る」というのがありましたが、NANDはここでは終わらず、まだ先に行くということが明確になったというところなのでしょう。※1 実際に動作するSSDまで用意してデモしたという完成度には驚くばかりです。技術的にだいぶ先行しているように見えます。


  • 後藤さんの記事は今回はNANDベンダーとレポートを元にベクトルをかけずに伝え、また以前のNANDが終わるという記事では新不揮発メモリ開発側のレポートを元にベクトルをかけずに伝えているので、彼の記事そのものが相互に矛盾しているわけではありません。

Intel CPUを搭載した新しいHP ProLiant MicroServer

“自働化”を実現した新型マイクロサーバー「HP MicroServer Gen8」の管理機能を試すクラウド Watch

山本 雅史さんによるHP ProLiant MicroServerのIntel CPU搭載版であるGen 8の紹介記事です。

それよりも気になったのが、前回の記事でも触れたように、6GbpsのHDDが2台、3GbpsのHDDが2台という構成だ。

これには同意します。外部チップを付けてでもすべて対等な速度であった方がよかったと思います。

それはそうとして、本体価格よりオプションやソフトウェアの価格の方が高いのはサーバーの世界では割と普通です。RAID 5が必要であればオプションで導入できるのはメリットであり、視野外に置く必要はないのではないかなぁ、と思いました。

うっかりのIntelさん

AKIBA PC Hotline!で「仕様ミスの「お買い得Xeon」が販売、初期ロットのみスレッド倍増」という、なかなか見られない面白い記事が出ていました。※1

該当の「Intel® Xeon® Processor E3-1225 v3 (8M Cache, 3.20 GHz)」は、確かにスペック上4コア4スレッドなので、4コア8スレッドは本当にお買い得ですね。

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ソフトウェアRAIDとハードウェアRAID

はじめに

最近はハードディスクおよびSSD(以下、ハードディスクに略記)の価格低下と動画などの大容量データの普及に伴って業務以外でも使われることが多くなったのがRAIDです。一般には、複数のハードディスクにデータを分割して読み書きすることで速度向上と容量の増加を狙うRAID 0※1、2つあるいはそれ以上のハードディスクに同じ内容を同時に記録することで耐障害性を高めるRAID 1、3台以上のハードディスクに分散してデータとパリティをストライピングして読み書きすることで耐障害性(RAIDグループ内に1台までの故障に耐える)と読み出し高速化を狙うRAID 5が使われることが多いのではないかと思います。

これらのRAIDの処理を行う分類において「ソフトウェアRAID」と「ハードウェアRAID」がありますが、これらの分類はかなり曖昧なものです。分類の仕方や文脈によって大きくグループ分けが変わることがあります。それについてちょっと書いてみたいと思います。
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