はじめに
Maker Faire Tokyo 2014で限定販売された「スイッチサイエンス版Eaglet (MFTバージョン)」ですが、ようやく先週より一般販売が開始されました。ちなみに執筆時点(2014年12月22日19時)では在庫「多数」となっています。
この「スイッチサイエンス版Eaglet (MFTバージョン)」を紹介したいと思います。
使用している「Eaglet(イーグレット)」などについて
- 本記事で使用しているインテル株式会社版「Eaglet(イーグレット)」および「USB ⇔ シリアル変換ケーブル」は、インテル株式会社のご厚意により“さかきけい”個人に貸し出されたものです。このため私の勤務先等とは一切関係がありません。
- 本記事は“さかきけい”が完全に自由意思で書いているもので、インテル株式会社からは何らの要請、制限等は受けていません。
- 使用している2つの「Intel Edison Module」および「スイッチサイエンス版Eaglet (MFTバージョン)」は市販品を“さかきけい”が購入したものです。
写真で見る「スイッチサイエンス版Eaglet (MFTバージョン)」
出荷時の何も装着していない状態の「スイッチサイエンス版Eaglet (MFTバージョン)」のボード本体の写真です:
「スイッチサイエンス版Eaglet (MFTバージョン)」の組み立て
ボード本体にIntel Edison Moduleを装着して使用できるように組み立ててみます。
使用するもの
- スイッチサイエンス版Eaglet (MFTバージョン)
- ボード本体×1
- トルクスネジ(T5)×2
- スペーサー×2
- ワッシャー(プラスチック)×2
- ナット×2
- トルクスネジ(T5)対応のドライバー※1
- 精密ピンセット※2
- 1セルのリチウム・イオン・ポリマー電池 3.7V 200mAh以上のもの※3
組み立て手順
- ボードの裏面からネジを通します:
テープで仮固定するかテーブルなどに置いてネジが抜けないようにする必要があります。ここではテーブルの上に置いています。
- スペーサーをネジにはめます:
軽く乗せるだけで十分です。
- Intel Edison Moduleをコネクターとネジに合わせて差し込みます:
ここでIntel Edison ModuleとEagletボードのコネクターをしっかり合わせてはめておく必要があります。
- プラスチックのワッシャーをIntel Edison Moduleの上に出ているネジに合わせて置きます:
- ネジにナットを乗せて軽く回します:
- トルクスネジ(T5)にドライバーをあてて回転しないようにしたうえで、指でナットを回して締めます:
スイッチサイエンスの販売ページによれば
ネジはあまり強く締め付けないでください。指先でネジを押さえながら、ナットを締める程度で十分です。
としています。
「スイッチサイエンス版Eaglet (MFTバージョン)」でLEDの発光制御
組み立てたEagletボードが正常に動作するか確認するために、定番のLEDの発光制御、いわゆる「Lチカ」を実行してみます。作業内容は“「Intel Edison Board for Arduino」でLEDの発光を制御”とほぼ同じですが、以下の点が異なります:
- 1セルの3.7V 200mAh以上※4のリチウム・イオン・ポリマー電池を接続する必要があります。接続コネクターはSparkFunのコネクターと同様の形状です。
- USBケーブル2本による接続ではなく、1本のみを使用します。また、シリアル・コンソールに接続するためには「スイッチサイエンス版Eaglet (MFTバージョン)」にはんだ付けでケーブルを接続する必要があります(あるいはLinuxへのログインはRNDIS側を設定して入ることになります)。
サンプルのスケッチ「Blink」を転送したうえで、USBケーブルを外してみましたが、バッテリーで正常に動作していることが確認できました:
ところでフリスクのケースには入る…?
やはり、気になりますよ…ね? 結論を先に述べるとそのままでは「入りません」。
どうしても収めたいのであれば、まずGrove端子を取り外す必要があります。また、電源ソケットが外向きになっているのでこれを何とか解決する必要があります。逆に言えばこれらを解決できればフリスクのケースに入るようにすることができます。
「インテル株式会社版Eaglet(Rev.1.1)」と並べてみる
「スイッチサイエンス版Eaglet (MFTバージョン)」と「インテル株式会社版Eaglet(Rev.1.1)」を並べてみました:
このように物理的な配置が全然違います。180度回転しているわけでもなく、引き回しが変わっている感じです。多くのGPIOを使用することができるように工夫をした結果、インテル株式会社版とスイッチサイエンス版では大きく配置が換わったようです。
ちなみにインテル株式会社版でも中央部にある10×3のパターンのところからGPIOが引き出せるようになっています。ただ、このサイズですからはんだ付けは大変です。
まとめ
ようやく市販となった「Eaglet(イーグレット)」ですが、スイッチサイエンス版とインテル株式会社版では目指す方向性が違っているように感じました。スイッチサイエンス版は実用品として各種GPIOの引き出しをしやすくし、リチウム・イオン・ポリマー電池の接続端子も外向きとなっています。これに対して、インテル株式会社版では「フリスクのケースに入る」というインパクトを狙った設計となっているのではないかと感じました。
このように方向性の違いがあるため、スイッチサイエンス版ではなくインテル株式会社版がほしいという考える人もいるのではないかと思います。
なお、私としてはどちらにも別の魅力を感じています。両方ほしいですね…。つまり、その…。インテル株式会社版も市販してほしいなぁ、なんて考えています。いかがでしょうか?>スイッチサイエンス様、インテル株式会社様
さて、ボードの話ではないのですが、今回のスイッチサイエンス版のネジがなぜトルクスネジ(T5)だったのだろう、と不思議に思っています。扱いづらいので、できれば普通に+(プラス)か-(マイナス)のネジにした方が良いのではないかと感じました。
2014年12月23日 更新
組み立てに関する写真が見づらいと思えたので差し替えを行いました。
2014年12月24日 更新
「スイッチサイエンス版Eaglet(MFTバージョン)」の写真を当初よりも見やすいように編集しなおして置き換えました。
関連記事
- 「ミツトモ製作所 10本組特殊ネジ用ドライバービットセット」を使用しました。
- 今回は3.7V 400mAhの1セル・リチウム・イオン・ポリマー電池を使用しました。
- インテル株式会社版「Eaglet(Rev.1.1)」では150mAh以上でしたが、「スイッチサイエンス版Eaglet (MFTバージョン)」では200mAh以上に変更されています。