秋葉原の東京ラジオデパートで21日まで「98祭」開催中

はじめに

本日7月19日から21日まで、3日間にわたって「98祭」というイベントが東京・秋葉原の「東京ラジオデパート」の地下1階にて家電のケンちゃん秋葉原東京ラジオデパート店の主催で行われています。

この98祭のことなどつゆ知らずに秋葉原に出かけて行った私の行動について書いてみたいと思います。

最初の「98祭」との遭遇

当日はとある中古パーツショップにいき、その後東京駅付近の書店に立ち寄る予定でした。秋葉原へは午前11時半ころに到着して移動していたところ、東京ラジオデパートの入り口付近に「98祭」と書いた札があることに気づきました。元々、本日の予定では、この東京ラジオデパート1階にあるといわれるFM音源の入った「ガシャポン(※リンク先は音が出ます)」をやってみたいなー、と漠然と思っていました。実は昨日、場所の確認をInternetで検索して確認していたりしました。だからこそ、この札が目に入ったのは間違いないでしょう。

地下で開催中とのことで、早速地下へのエスカレーターに乗ると目の前には真空管アンプに奏でられた荘厳なクラシック音楽がかかっている空間に出て、順番に小部屋を確認していったところ、最初のエスカレーターを降りて右後方付近の小部屋に多くの人が集結しているのが目に入りました。実にいろいろな機種が置かれ、いくつかは音楽の再生やデモ用のプログラムを動かしていました:

引用したツイートの写真は初期状態で、私が行ったときにはいくつかの商品は売れてしまっていましたが、それでもまだ多くの機種は残っている状態でした。一番の人気商品は音源ボード「PC-9801-26K」や「PC-9801-86」などの音源ボードだったそうです(店長の中川さん談)。

この98祭で販売されている物品はどれも原則として「ジャンク」ということになっています。すなわち動作保証はありません。そんなわけで、その会場のすぐ横で通電テストができるスペースが設けられています。なお、ディスプレイやキーボードはありません。電源のみが用意されているのです。電源を入れてみて、買うか、買わないか、それを長年の経験を頼りに決断するわけです。なかなか熱いですよね!

しかし、その通電がままならない機種もあります。それは専用のACアダプターを必要とするノート・パソコンの数々です。いくつか手に取ってみてみたのですが、ネジの状況や外見、あるいは錆の状態程度は確認できますが、やはり不安が残る状態でした。私の興味のあるPC-9821LtシリーズやPC-9821Ldシリーズもあったのですが、この状況ではなかなか手を出しにくいというのが本音です。あぁ、手持ちのACアダプターを持ってきていればよかったと、後悔しました。というよりは、この98祭のことを知らずに秋葉原に今日来たこと後悔したというのが適切でしょう。何しろ、知らなければACアダプターを持ってくることは絶対になかったのですから。

しばらくデスクトップ・パソコンを含めていろいろと眺めたり、デモを懐かしいと思いながら見つめたり、周囲で交わされている濃い(こゆい)会話を聞いたりしながら過ごしましたが、「これだ!これがほしい!いますぐほしい!」と思うところまでボルテージが高まることなく、歯がゆい思いで眺めていました。

そんなわけで、いったん気分を切り替えるために外に出ました。そして、そのまま他のショップへ向けて移動を開始しました。しかし、実は1つ「あってもいいな」と思った機種がありました。それは初代「PC-9821」です。PC-9821シリーズの始祖であり、30行BIOSや90桁BIOSあるいはその他のために仕様を調べるベースとなる機種であると思えたのがその理由です。

AKIBA PC Hotline!」の「秋葉原マップ」で2区画ほど歩いてから、「やはり買うべきだろう」という結論が私の頭の中で出ました。そんなわけで、再度98祭の会場へ戻って、非稼働状態のPC-9821初代を取り出して、裏面を見て仕様を確認し、自分自身の記憶と相違がないことを確認しました。そして、今まさにデモをしているPC-9821初代を指さして「このデモをしている機体も販売用ですか?」と店長に声をかけて確認しました。その答えは「そうです」ということでした。近くにいた方が、この会話によってこの機体に興味を持たれたようで、会話に花が咲きました。※1とはいえ、私自身も目的があって該当機種が必要だと思っていたこともあり、話の途中で購入する旨を店長に伝えて購入させていただきました。

発売当時(1992年11月)に標準価格が438,000円(税別)だった「PC-9821 model S2」ですが、今回の購入価格は9,800円(税込)でした。なんと、元の価格の2%です。もちろん、付属品が当時のままではないですし、時間が経った分、いろいろな問題が起こっている可能性もあります。それでも、なんというか、とっても感慨深いものがあります。

お金を支払ってから緑の養生用テープを張り、そこにサインをしてからいったん他のところを回ることにして再び98祭の会場を離れました。が、しかし。今度は3区画ほど移動したところで、雲行きが怪しいことに気づきました。購入したパソコンを雨の中持って移動することは避けたいという思いがあり、インテルが行っている「1等は10万円相当の旅行券!:インテル、“Devil’s Canyon”発売記念イベント実施中ITmedia PC USER」用に配布されていた、紙袋を受け取って戻りました。この紙袋にPC-9821を入れて運ぶつもりで。

戻ると、オークションにかかっていたPC-8801MC(CD-ROMドライブなし)の結果発表の時間となっていました:

落札価格は15,000円でした!

「最後のPC-88ですからね!」「最後のPC-88はPC-98DO+じゃないの?」とか、濃い会話が繰り広げられていました。

そのイース2をデモしていたPC-8801MCが取り外されたあとに、私が購入をしたやはりデモ中のPC-9821 model S2も取り外していただき、1階へ持っていって梱包をしていただきました。

雨が本降りになる前に、ということで、そのPC-9821をインテルの紙袋に入れてそそくさと持ち帰るのでした。途中で人身事故があってしばらく電車の中に缶詰めにされた、なんてこともありました。

一時帰宅

インテルの紙袋が破れて落下とか、そのようなお約束のイベントが起ることなく、無事にPC-9821を自宅へ持ち帰ることができました:

Intel Club Extremeの紙袋
↑中に入っています。

さて、これを置いたらもう一度出撃する気力は満々でした。PC-9821LdおよびPC-9821Ltに対応するACアダプター「PC-9821LD-U01」※2をバッグに入れて再出撃しました。

PC-9821Ld/Lt用ACアダプター

満を持して再度「98祭」会場へ

さて、目標を持って再度「98祭」会場へ赴きました。その目標とは、言うまでもなく「PC-9821Ld」と「PC-9821Lt」の中から、比較的よいと思える品を通電テストをして探すことです。1個2500円なので全部買ってしまえ、と思うかもしれませんが、それでは芸がなさすぎるし、1日2機体までという98祭の制限にも触れますし、何よりせっかくの「98祭」が台無しになります。ここはレギュレーションを守るべきなのです。

98祭の会場

というわけで、店長にこれを伝えることにしました:

(さかきけい) これ、通電してみてもよろしいでしょうか?(と、手に持ったPC-9821Ld/350Aを指さす)
(店長) いいですけど、ACアダプターないんですよね...
(さかきけい) 問題ありません、用意してきました ^^

このような会話を交わしました。が、それがツイートされていて、なんだか100以上のリツイートになっています Σ(゚□゚(゚□゚*)ナニーッ!! :

ええ、本気ですよ!! 本気ですとも!!!

というわけで、PC-9821Ldを2~3台通電し、さらにPC-9821Ltを1台通電し、その中からいろいろと考えて一番使用条件が合致すると思えた「木魚の音がする」と周囲から言われていた、明らかにハード・ディスク・ドライブが故障している1台を選びました。※3

ほかには50ピンのSCSI内蔵用リボン・ケーブル(300円)、いわゆる櫛形50ピンとアンフェノールフルピッチ50ピンの口を持つSCSIケーブル(500円)、そしてPC-9800シリーズ用のキーボード(3,000円)を購入しました。

その後はしばらくPC-9800談義や雑談をして、帰ってきました。

なお、帰宅時には、当初の巡回目的であった「FM音源伝説 VER,1.3B」をやってみました^^

FM音源伝説のガシャポン

1回400円を3回回して、「YM3438(FM音源)」「YM3012(専用DAC)」「YM2608B(FM音源)」が出ました。最後に出た「YM2608B」は本日の祭としては適切ですよね!

ガシャポンから出てきたFM音源関連チップ

活用できる日が来るといいな、と思いました。これからも時々やって、必要なチップを集めたいと思います。

メジャーなメディアによる紹介

今回は私が見ている範囲でもアイティメディアとインプレスほかの取材が来ていました。本稿執筆時点で記事になっているのは以下のところです:

同じ時点でインプレスによる記事はまだ出ていませんでした。明日の掲載予定らしいです。とか、これを書いていたら出ました:

まとめ

当初は開催すら知らなかった「98祭」ですが、なぜか遭遇して大変に貴重な物品の調達と経験をすることができました。このような「98祭」というイベントを開いてくださった、主催者および開催スタッフならびに関係者に感謝をしつつ、時間的余裕があれば明日、明後日も行ってみたいと思います。

なお、人気の音源ボードは各日に1枚ずつ追加するそうです。

購入した物品(ジャンク品扱い)の検品は明日以降にゆっくりしていきたいと思います。

98祭りで購入したもの


  • PC-9821初代の音源はどのボード互換なのか、とか、そういった話もありました。正解は86ボード互換です。現場では73ボード互換と記憶されている方もいらっしゃいましたが、それは「PC-98GS」にのみに搭載された、レア度の高い音源です。
  • 余談ですが、この私のACアダプターは交換品です。最初に添付されていたものは購入してから数か月で発熱して焦げ臭いにおいとともにドロドロに溶けてしまい、販売店で交換していただきました。においに気付いたおかげで火事にならなくてよかったです。
  • 同一機種をすでに所持しており、そのスペアの位置づけだったので、ハード・ディスク・ドライブがメインの判断基準ではなかったことによります。

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