Z80上位互換CPU搭載の学習用8ビットマイコンボード

Z80上位互換のCPUを搭載する学習用のマイコンキットが発売されたとの記事が出ていました:

学習用とのことなのですが、正直なところ、私個人の見解としては現代ではこういう仕様のボードで勉強する必要はないと思います。

確かにWindowsにしてもLinuxにしてもOSがハードウェアリソースを抽象化しているため、ハードウェアそのもののプログラミングをしたり、仕組みを知ったりするためのものはあっていいと思うのですが、それがZ80上位互換のHD64180クローンである必要や、Altair互換である必要はないと思います。

コンピュータープログラムにおけるハードウェア制御は、ある種の通信プロトコルに対応するソフトウェアを作るのに似ています。あるLSIや回路の仕様に合わせて、プロセッサーから必要なデータの読み書きを手順正しく行うことになります。こういったことは、私がここで紹介しているインテル Galileo 開発ボードなどの各種Arduinoボード、BeagleBoneシリーズ、Raspberry PIなどでも十分学べると思いますし、むしろ学習効率はこちらの方が高いと考えます。というのも、Z80時代の開発環境は、それそのものを学ぶ時間がきわめて長く、特に学校などで教えるとなると、ロジックや考え方を学ぶ時間より長くなってしまう可能性すらあると思います。前述の記事によれば「コンピュータ工学のハードウェアの基礎を学ぶことを目的としたマイコンキット」とのことですから、高校以上向けというよりは小中学校向けなのだろうと考えられることも、このように考える理由となっています。

私自身、1984年の夏にMSXでプログラミングを始めた(そうです、あと数カ月で私のプログラミング歴は30周年を迎えます)口で、その時代の環境のなせる業(わざ)でアセンブラや電子回路(電気回路に非ず)を理解した世代であり、Z80というものに愛着はありますが、かといって、現代でもそこからやり直す必要は全くないと思うのです。

個人的には、これは「教育用」としては「懐古趣味的すぎる」のではないかと思えました。一方でこれが「趣味のもの」だと紹介されたのであれば「これはすばらしい!」と思ったであろうことは間違いありません。

ちなみに、動くかどうかわかりませんが、12~13年前にビクターのHC-95(MSX2でCPUにZ-80AとHD64180の両方を搭載している)を譲ってもらったものを今でも保有しています。久々に電源でも入れてみますかね…。

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