インテルの社長交代とIntel組織内での位置づけ変更

インテル株式会社(以下、インテル)の社長交代と、それと同時に米国Intel Corp(以下、Intel)内における同社の位置づけの変更についての興味深いレポートが出ていました:

【笠原一輝のユビキタス情報局】インテル社長交代の背景 ~日本法人は独立地域からアジア太平洋地域へと所属変更PC Watch

この記事では、インテル新社長の江田さんの上司が前社長の吉田さんと異なる点から、インテルのIntelという組織内での位置づけが変更になっていることを解説しています。その指摘をしている部分を引用します:

筆者は会見の質疑応答で、江田氏の上司が誰であるのかと質問を行なったところ、江田氏は「アジア太平洋地域担当の副社長だ」と説明した。一方、江田氏の前任である吉田前社長は、直接セールス&マーケティング統括本部の本部長であるトム・キルロイ氏に直接報告する立場だった。模式化するとこうなる

吉田社長時代:トム・キルロイ氏<吉田社長
江田社長時代:トム・キルロイ氏<アジア太平洋地域担当の副社長<江田社長

 この違いが意味するところは明白だ。インテル日本法人は、これまで独立した地域として本社に認められてきた状態から、アジア太平洋地域内の1つの国に格下げされたということだ。

このように格下げだとのことです。その理由については以下のように解説しています(※IJKK=インテル日本法人):

中国市場に比べると小さな日本がIJKKとして1つの独立した地域として認められてきたのはなぜか? それは、Intel全体の売り上げに占めるインテル日本法人の売り上げが、1つの地域に匹敵するほどだったからだ。

(中略)

だが、このIJKKが占める割合が、昨年(2012年)と今年(2013年)になって急速に減っているという。その理由は明白で、日本メーカーのグローバル市場におけるシェアが減っているからだ。インテルの売り上げで大きな割合を占めているのは東芝とソニー。両社とも、PC事業の収益性を改善するためにラインナップの取捨選択を推めており、それがシェアの低下を招いている。前出のIntelに近い関係者によれば、そうしたことから昨年から今年にかけてIJKKの売り上げはIntel全体の5%を切ってしまい、それが今回の組織改編の引き金になったと指摘している。

確かに日本のパソコンが売れなくなってきているということは事実ですよね。私も特に国産かどうかを意識せずに安い海外製のパソコンを買っていたりしますし、きっと多くの方々がそうしているんじゃないかと思います。日本製のパソコン、個人的には主にソニー製品なんですが、ほしいものはあるんですよ…、でも値段の関係で手を出しづらく。あぁ、お金がほしいです 😉

ワールドワイドのサーバー向けでもトップ5(2013年第2四半期)は、1位IBM、2位HP、3位DELL、4位Oracle、5位Cisco(情報元:IDCの発表)であり、日本メーカーは1社も入っていません。なかなか厳しい状況だと思います。

ちなみに日本市場(2012年通期)では、1位NEC、2位日本HP、3位富士通、4位DELL、5位日本IBM(情報元:MM総研の発表)です。外資、というか米資が3社も入ってきているので、こっちの方面でも状況はよくなさそうですね。

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