英語における「-ty」(例:Security)系をカタカナ表記にするときに「ー」を付けた方(例:セキュリティー)がよいのか、それともつけない方(例:セキュリティ)がよいのか。ちょっと悩んで検索していたところ、小坂貴志さんの「翻訳者に求められるターミノロジー処理力 – 一般社団法人 日本翻訳協会(JTA)(PDF)」という記事が目に留まりました。
この記事を読み進めていくと、以下のような記述がありました(改行位置のみ変更):
「ゆ」にアクセント記号がおかれた単語が頻繁にプレゼンテーションに登場する。とある小学校の公開授業での出来事である。「“ゆうざ”って何?」と疑問に思った筆者の妻は、「ゆうざ」なるものを数度聞き、ようやくそれが「ユーザー」であることに気づいた。その通り。カタカナ用語の語末長音の規則からすると、「ユーザ」。これを小学生が何の知識もなく普通に読めば、「ゆうざ」で「ゆ」にアクセントをおくようになってしまう。
語末長音が表記と発音が異なるという決定的な悪を生み出しても、我々日本人は平気な顔をしていた。これは一歩間違えば、重大な日本語の欠陥となるところだったが、マイクロソフト社の勇断のおかげで、間違った方向にこれ以上進む必要がなくなった。
これは例として適切ではないです…。当時のマイクロソフト(現・日本マイクロソフト)の翻訳原則では、Userは以前から「ユーザー」であり、「ユーザ」ではないのです。参考用に基準改定前の製品であるWindows Server 2003のログオンウィンドウのキャプチャを以下に示します:
このようにマイクロソフトがWindows 7から行ったカタカナ表記の変更の影響は全くないのです。ほかにもServerを「サーバー」と表記するように、「○ー○ー」となるものは「ー」を以前から省略していません。この部分について誤解があるようです。
この点がこの記事を読んでいて気になりましたが、それ以外の部分はとても参考になりました。基本的には「ー」を付けるべきなんだろう、ということには私も同意します。いろいろと難しいです。