ARMとIntelがInternet of Thintgs(以下、IoT)に力を入れています。もちろん、この分野にはソフトウェアベンダー(例えばJavaを擁するOracle)、他のプロセッサーベンダー(MIPSアーキテクチャを擁するImagination Technologies)などのプレイヤーも注目しています。出荷される台数がとても多く、成功すれば巨大な市場になることを見込んでいるからです。
ARMとIntelは比較的大きな処理能力を持つチップをこの市場に投入しようとしています。ただ、よくよく考えてみると、多くのIoTデバイスは何らかのセンサーを駆動させて情報を取得・加工し、それをネットワークを通じてサーバーあるいはパソコンなどに送信することがメインで、それ自身が何らかの表示を行ったり、処理ををするわけではありません。そのように考えると、実は大半のIoTデバイスはUSBデバイスと同程度のプロセッサーしか必要としていないのではないか、と、そんな気もしてきます。
USBプロトコルは比較的込み入っており、一般にソフトウェアによる処理を使用する関係で、USBデバイスではこの部分にプロセッサーを用いて処理しています。このプロセッサーは現在のところARMやIntelがIoT向けに投入しようとしているプロセッサーコアよりもはるかに小規模なものです(ARMのCortex-Mシリーズならば必要十分なものもあります)。
その小さなプロセッサーコアでマウスやキーボード、ゲームコントローラーなどが実現されています。IoTデバイスもこれくらいのプロセッサーコアで実現可能なものが大半のデバイスの使用目的になるのではないかと思えるのです。
なので、最近取り上げたARMとIntelと、そしてOracleの取り組みを見ていると、やや過大なのではないかという気がしてしまうのです。※1
それとも各IoTデバイスは、そこまで処理能力が必要なものを駆動するのでしょうか…? ロボットでも動かすならばいいのでしょうけれど。
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どちらが征するにしても、まずはその前にIoTという市場が本当にあって、そこにはARMやIntelが想定する程度にインテリジェントなチップが必要とされていることが必須の要件となります。現状ではそこがはっきりしていないように私には思えています。
と書きました。