MIDP の AMS

はじめに

モバイル向けの Java である Java Platform, Micro Edition(Java ME : 旧称 Java 2 Platform, Micro Editon – J2ME )用のプロファイルに Mobile Information Device Profile(一般に MIDP あるいは MID Profile と短縮して呼ばれる)があります。

このプロファイルでは、デバイスの実装と MIDP 環境を結びつけたり MIDlet アプリケーション(MIDP 用のアプリケーション)を管理したりするために「AMS」というソフトウェア部品を定義しています。今回はこの AMS について混乱が起こっているということを書いてみたいと思います。

AMS とは?

MIDP における AMS とは上で書いたように MIDP とデバイス上の実装を結びつけたり、管理(インストール、起動、削除など)したりするためのソフトウェア部品を指します。正式名称は Application Management Software といいます。実はこの正式名称が混乱している、というのが今回の話題です。

どの程度混乱しているかは検索エンジンで「MIDP AMS Application Management(Google で検索Yahoo! JAPAN で検索)」を検索してみるとわかります。するとどうでしょう。「Application Management SoftwareGoogle で検索Yahoo! JAPAN で検索)」のほかに、かなりの数の「Application Management SystemGoogle で検索Yahoo! JAPAN で検索)」という語が見つかることがわかるかと思います。これは Java のお膝元である Sun Microsystems, Inc のページの中(例えば The MIDP 2.0 Push Registry というページ)にも散見することができ、いかに混乱しているかが見て取れます。無論、関係ないページも多少は混じっていますが、ほとんどは間違って Application Management System としてしまっているページです。

MIDP 2.0 の規格は JSR 118: Mobile Information Device Profile 2.0 というページからダウンロードできますが、この中には「Application Management System」という語は一切出てきません。そして Application Management Software という語が大量に使用されていることが確認できます(特に javax.microedition.midlet のパッケージ・ドキュメント)。このことから MIDP における AMS は Application Management Software であって、Application Management System ではないということを結論付けることができます。

まとめ

略称の AMS から正式名称を書くときに、誰かが AMS の S を Software ではなく System としてしまったのが広まったのでしょうか? 確かにその可能性もありますが、そうだとするとあまりにも広まりすぎている気もします。多くの人が略称としての S から連想する語が、Software よりも System にあるのではないかなぁ、という気が私にはしています。特に根拠はないのですが、感覚的にそう思うのです。

ほかにも似たような事例がたくさんあるとは思うのですが、私が触れる語の中で気づいたので今回は取り上げてみました。すぐには役立つ知識ではないかもしれませんが、頭の片隅においておくと役立つときがあるかもしれません?

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