はじめに
Intel CorporationがIntel Edisonコンピュート・モジュールの次期ファームウェアであるR2のβ版としてWW05-15というバージョンを2015年2月6日付け(現地時間)で公開しています。
これについて、本日スイッチサイエンスが「2015年2月リリース」として公表しました:
Intel Edisonのファームウェアが更新されました。まとめましたので、ぜひご覧ください。
http://t.co/hWymVRUGPz
公式サイトはこちら:http://t.co/0UhPOjIkZW
— Switch Science (@ssci_official) February 12, 2015
しかし、実際にはこれはまだβ版※1なのです。そういうことを含めたアナウンスが必要だと思います、という指摘をするとともに、現状で既存のファームウェアとどのような差があるかについてまとめてみたいと思います。
今回のバージョンについて
2014年末までにリリース予定となっていた、Intel Edisonコンピュート・モジュール用の新ファームウェア「R2」のβ版です。このことからわかるように正式版ではありません。特に必要を感じていないのであればこのバージョンに更新する必要はないかと思います。そこで、このβ版がどのような機能を持っているかについて、以下に紹介します。なお、超意訳なので興味があるようでしたら、ぜひ原文をあたってください。
Intel Edison拡張機能ソフトウェア・リリースが利用可能
Intel Edisonソフトウェア・リリースをダウンロード
ソフトウェア・リリースはIntel Edison開発ボードを使用するプロジェクトのために、強化された機能を提供します。主要な拡張は以下の通りです:
- Wi-Fiダイレクト*、多用途およびアドホック・ネットワークのサポート
- Bluetooth low energy* (LE)と新たな8個のプロファイルのサポート
- 拡張されたデバイスからデバイスとデバイスからクラウドへのメッセージング、セキュリティおよび認証
新機能はサポートする最新のIntel Edisonソフトウェア・リリースを通じて得ることができます。詳細情報は、関連ダウンロードとドキュメンテーションを各特徴からのリンクによって提供されます。
Wi-Fiの改善
Intel® Edison Wi-Fi User Guide: CS-035380›
機能 | 詳細 |
---|---|
Wi-Fiピア・ツー・ピア接続とWi-Fiダイレクト | 2つのIntel Edisonコンピュート・モジュール(またはIntel Edisonとスマートフォン)がダイレクトにWi-Fi接続をアクセス・ポイントを介すことなく行うことができます。 |
Wi-Fiの多用途化 | 同時に複数のWi-Fiダイレクト・オペレーションによるアクセス・ポイントへの接続を可能にします。 |
Wi-Fi IBSSモード | アクセス・ポイントを一切含まないマルチ・ノード・アドホック・ネットワークの新規作成が可能です。 |
Bluetooth* 基本速度プロファイル
Personal Area Network(PAN)およびHuman Interface Device(HID)
Intel® Edison Bluetooth User Guide CS-035381›
機能 | 詳細 |
---|---|
Hands-Free Profile(HFP) | Intel Edisonはハンズ・フリー・ユニットまたはオーディオ・ゲートウェイへの接続を可能にします。 |
Advanced Audio Distribution Profile(A2DP) | Intel Edison開発ボードからオーディオを流すことが可能になります。 |
Serial Port Profile(SPP) | 既存のRS-232のシンプルな代替を提供します。 |
Device ID Profile(DIP) | 基本的なデバイス・クラスの範囲を超えて、Intel Edison開発ボードの識別を拡張します。 |
Bluetooth LEとObject Exchange (OBEX)プロファイル
Human Interface Device(HID), Object Push(OPP), および Message Access(MAP)
Intel® Edison Bluetooth User Guide CS-035381›
機能 | 詳細 |
---|---|
Time Profile(TIP) | Intel Edisonが日付、時間、タイムゾーン、および夏期時間に関する情報を得て関連制御機能を構成することが可能になります。 |
Proximity Profile(PXP) | Intel Edisonと別デバイスの間の近接モニタリングを可能にします。 |
Generic Attribute Profile (GATT) Profile越しのHuman Interface Devices (HID) | Intel Edisonがキーボードやゲーム・コントローラーのようなBLEが有効なHIDと接続することが可能になります。 |
File Transfer Profile (FTP) | Intel Edisonがどのファイルとフォルダーがどのように当方と先方の間で閲覧できるか、およびファイルの送信と受信が可能かを定義します。 |
Internet of Things (IoT)通信ライブラリー
iotkit-comm library: node.js documentation›
機能 | 詳細 | 手引き |
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認証と暗号化が可能なWi-FiおよびBluetooth上に拡張されたデバイスとデバイスおよびデバイスとクラウドへのメッセージング | MQTT*、ZeroMQ*およびRESTfulを活用したローカルとリモートのセンサー・グリッド。 | iotkit-comm tutorial |
まとめ
次期R2ファームウェアが持つ機能の一端がこのように公表されています。主にWi-Fiダイレクト、Bluetooth LEと新たなプロファイルのサポート、デバイスとデバイスおよびデバイスとクラウドに関するインフラの拡張がメインとなります。
いろいろな不具合や機能追加(MCUたるIntel QuarkのサポートもR2の予定)はもう少しなされるはずかと思いますので、特に理由がなければ正式版まで待つ方がよいのではないかと私は考えます。