はじめに
この“さかきけいのメモ”でカメラに関するコア…といいますか、直接的な話題を書くのは初めてのため、これまでこのメモをご覧になっていた方にはやや唐突感があるかもしれません。
私はここ1年半ほど、デジタル・カメラを持ち歩いていろいろと撮影している関係で、この手の話題にも注目しています。撮影は99%趣味で残り1%くらいが仕事っぽいものも撮っています。後者についてもプロっぽいことをしているというわけではなく、職場関連で撮影を少ししているだけです。
さて、今回は大手交換レンズメーカーであり、独自のFoveonと呼ぶセンサーを搭載したデジタル・カメラのメーカーでもある、株式会社シグマが販売している「SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM | Sports」と「SIGMA 70-200mm F2.8 DG OS HSM |Sports」について、工場でのファームウェア更新が必要となる不具合が見つかったという件について書いてみたいと思います。
なぜこの不具合に注目したのか?
実は私がこの2種類のうちの片方である「SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM | Sports(キヤノンEFマウント向け)」のユーザーであるからです。しかも手元に届いてから2週間もせずに今回の事象が発生しました。それは今年(2019年)の4月のことでした。
その時にはまだ不具合の発表の前でしたので、故障(初期不良)かと考えて販売店やメーカーに問い合わせをし、結果としてメーカーに修理を依頼する形となりました。
その経験をメモにまとめておこうと考えたわけです。
不具合の発生
公式発表による不具合の内容は以下の通りです:
ごく稀にカメラのシャッターボタンを押した際に、動作を停止し再操作を受け付けなくなる。
私が実際の撮影中に不具合が発生した際の感覚では、急にオートフォーカスが効かなくなったという事象として認識をしました。この状態でもマニュアル・フォーカスはできます。実際には絞りの制御もできなくなるそうなのですが、残念ながらそこには気づきませんでした。というよりも、オート・フォーカスが効かないことに注目してしまい、他の部分までは気が回らなかったというべきかもしれません。
事象が発生した当日は、オート・フォーカスの効き具合を確認するために、キヤノンのEOS 5D Mark IVにレンズを装着して近所の公園の机のあるベンチに座って両腕を机の上に載せてカメラを構え、飛び回っているツバメをAIサーボ(コンティニュアスAF)で撮影していました。10分ほどこれを続けていると突然オート・フォーカスが効かくなりました。別途EOS RやEOS 80Dに取り付けてみても同様ということで、不具合であると明確に認識しました。
なぜオート・フォーカスの効き具合の確認をする気になったのかなどについては、別途書く予定のレンズの紹介メモの方で触れたいと思います。
状況確認と修理依頼
まずは問題が故障であるか否かを切り分ける必要があります。そこで私はメーカーであるシグマに連絡を取り、状況の説明をして当方でさらに確認すべき項目があるかどうかについて問い合わせたところ、状況から判断して初期不良であろうという返答を得ました。
これをもとに販売店に初期不良であることの確認と初期不良対応を求めたのですが、このレンズに関してはメーカー修理に回すしかないので直接メーカーと対応してほしい旨連絡があり、私が直接メーカーであるシグマに修理を依頼する形となりました。
シグマの対応は非常に丁寧であり、好感の持てるものでした。チェック・シートに必要事項を記載し、すべての付属品を化粧箱に箱に入れてさらに緩衝材とともに段ボール箱に入れて発送しました。
シグマの工場に到着後、到着連絡がメールできました。こういうことをしていただけるとユーザーとしては安心感を覚えます。その後修理対応が終わり、発送連絡がメールでありました。
そして修理上がりのレンズが無事に到着しました。これは5月中旬のことです。レンズは送ったときと同様に段ボール箱の中に緩衝材と化粧箱が入っていて(外の段ボール箱と内部の緩衝材は送付時とは別のものでした)、その化粧箱の中に出荷時と同じような感じ(完全に同じではない)で入っていました。
1つ気になったのが、フードがやや斜めになった状態でネジ締めがされて固定されていた点ですが、逆に言えばこれくらいだったとも言えます。
早速EOS 5D Mark IVに取り付けて簡単にテストをしてみましたが、問題なく動作することが確認できました。
その後
修理上がり後、疑い深い私は毎日のようにいろいろと撮影に使ってみたのですが、問題なく動作しました。そして、今現在も順調に撮影をすることができています。
不具合の公表と問い合わせ
2019年6月6日(木)に、前述のようにシグマが該当するレンズの不具合を発表しました。工場での作業が必要であるため、事実上のリコールです。このレンズはAmazon.co.jp経由で購入していたので、Amazon.co.jpからリコール情報があるというメール通知も届きました。
しかし、公表された不具合の内容がどうにも修理に出した際の状況と極めて近しい内容であるように考えられました。このことからシグマに問い合わせをしたところ、
- 今回の不具合の対象に私のレンズのシリアル番号は一致するものの対象外となる
- 修理の段階で今回の不具合対応と同じ対策を実施済み
- 私が修理に出した時点でシグマ社内では問題を把握済みであった
という旨の回答をいただきました。
なお、メールの文面を直接引用していないのは「※ 弊社より送信するお客様への電子メールは、お客様個人にお送りするものですので、ホームページ、掲示板等への転載は一切お断りいたします。」という記述が「お問い合わせ窓口のご案内」というページにあるためです。
まとめ
このように、今回の不具合については、同様の問題で修理済みのレンズの一部(あるいは全部)は問題の対策も行われており、今回の発表による工場でのファームウェア更新対応は不要となっています。すでに同じ問題で修理に出したことがある方は、今回発表のあったファームウェアの更新が必要か否かをシグマに問い合わせてから送付したほうがよいでしょう。