504iの3Dグラフィックス機能

504i向けのiアプリでは、3DグラフィックスAPIがiアプリ拡張APIとして提供されます。公開されているAPIリファレンスを見るとわかるように、3DグラフィックスAPIは2種類存在し、「iアプリコンテンツ開発ガイド for 504i ~ iアプリオプション・iアプリ拡張編 ~ 第1.0版」によればそれぞれを高レベル3DグラフィックスAPI(com.nttdocomo.opt.j3dパッケージ)および低レベル3DグラフィックスAPI(com.nttdocomo.opt.j3d2パッケージ)と呼んでいます。

これは少しわかりにくい呼び方ですが、前者がエイチアイ製のMascotCapsule Engine/Micro Edition for DoCoMoを、後者が三菱電機製のZ3Dグラフィックスエンジンを想定しているようです。ただ、iアプリの仕様としては実際にはAPIが互換であれば構わない程度に規定していることから、NTTドコモとしてはそれぞれが別のコンポーネントで実装されうることを想定しているのかもしれません。

いずれにしても現状では上記2種類のAPIが存在し、それぞれが異なるエンジンを搭載している状態となっています。


MascotCapsule Engine/Micro Edition for DoCoMoはソフトウェアコンポーネントであり、現在掲載されている「各機種オプションAPI・拡張API実装状況 第1.01版」によれば全ての504iシリーズ(N、SO、D、P、F)に組み込まれているようです。名前からわかるようにこれはJ-フォンに搭載されているグラフィックスエンジンとほぼ同等のものであり若干iアプリ向けに調整されたものであるようです。これに対してZ3Dグラフィックスエンジンは三菱電機が開発したハードウェアベースのグラフィックスエンジンとなっており、D504iにしか搭載されていません。(D504iは両方のエンジンを積んでいます。)


高レベル3DグラフィックスAPIに対応するMascotCapsule Engine/Micro Edition for DoCoMoは、高レベルAPIというだけのことはあり、単純にキャラクタを表示して動かす程度であれば非常に簡単に行うことができます。また、比較的多くの3Dモデリングツールにも対応しており、すぐにでも開発を始めることができるでしょう。

このページから専用のDLLをダウンロードして、iαppli Development KitをインストールしたディレクトリのBINディレクトリにコピーすればWindows上のエミュレータでも実行することができます。また、このページには各種ツールと仕様書も公開されていますので、高レベル3DグラフィックスAPIを使用したiアプリを作成する場合は必見です。


低レベル3DグラフィックスAPIに対応するZ3DグラフィックスエンジンはOpenGL似のAPIを採用しており、非常に多くの操作を行うことができます。APIとしては低レベルに位置付けられていますが、実際は高レベルから低レベルまで非常に守備範囲が広くなっています。また、ハードウェアによって実現されることから非常に強力で高速なのが特徴です。

Z3DグラフィックスエンジンについてはMy D-Style内のD504i Javaオプション仕様にて、iαppli Development Kitを使用してZ3Dグラフィックスエンジン(低レベル3DグラフィックスAPI)対応iアプリを開発するためのDLLと仕様の解説書および関連ツール等が公開されています。DLLはMascotCapsule Engine/Micro Edition for DoCoMoの場合と同様にiαppli Development KitをインストールしたディレクトリのBINディレクトリにコピーするだけです。これによりWindows上で低レベルAPIグラフィックスAPIを使用したiアプリを実行することができるようになります。


以上、各ページと仕様書の間を埋める説明をしてみたつもりですがいかがでしょうか? みなさんの参考になれば幸いです。

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