ForceWare

みなさま、お久しぶりです。なかなかページを更新できていませんが、さかきけいは生きています。今回の久しぶりのショートコラムではNVIDIAが新ビデオチップGeForce FX 5950と同5700発表と同時に公開した新ドライバForceWareについて取り上げることにしました。さて本題に入る前に余談を少々したいと思います。

NVIDIAはNVIDIAと書くのが正式なのですが、マニュアルや雑誌あるいはWebサイトの記事などで「nVIDIA」と書いているケースを多く見かけます。似たような話ではJ-フォンから社名を変更したVodafoneもあります。vodafoneと表記している例をそれなりに見かけます。いずれのケースも「ロゴ」が「nVIDIA」や「vodafone」となっているという共通点があります。ロゴはデザインであり、必ずしも正式名称と一致していません。両者ともWebサイトのCopyright表記を見るとわかるようにNVIDIAは「NVIDIA」であり、Vodafoneは「Vodafone」です。さらに言及するとNVIDIAの日本語表記は「エヌビディア」です。これもなぜか「ヌビディア」としている例が多いです。こちらは日本語のサイトのほうから確認できます。今回取り上げるForceWareもロゴはすべて大文字ですが、それ以外では「ForceWare」となっているのでそれに倣った表記としています。

さて、話を元に戻します。NVIDIAは同社のグラフィックチップに対応したドライバソフトウェアを1本に統合しており、ForceWare以前はDetonator FXと呼ぶドライバでした。これがForceWareに名称が変わり、速度がかなり向上したという情報がWebサイトに出ています。日本語のサイトではインプレスPC Watchの「NVIDIA、GeForce FX 5950 Ultra/5700 Ultraを発表」という記事が参考になります。これによればドライバの変更だけで従来のチップ搭載ボードでも性能が向上するとされており、NVIDIA製のチップ使用している私にとっても非常に興味深いことです。

そこでドライバを変更することで、どのような性能差が現れるのかベンチマークソフトを使用してテストしてみることにしました。なお、私にとってのキラー3Dアプリはスクウェア・エニックスFINAL FANTASY XIであるため、DirectX8レベルでのテストを中心にしました。

GeForceの各ボードは256MBのメモリを搭載したものです。GeForce以外の環境は以下の通りです。

M/B Intel D875PBZ
CPU Pentium4 2.60C GHz
Memory PC-3200 CL-3 DDR SDRAM 512MB × 2
Sound Board Sound Blaster Live!
OS WindowsXP Professional Version 2002 Service Pack 1

この環境での計測結果を以下に示します(Detonator FXはDetonatorと略記しました)。

ボード/ドライバ 3DMark 2001 SE ゆめりあベンチ FINAL FANTASY XI Official BenchMark FINAL FANTASY XI Official Benchmark 2
VGA(それなり) VGA(綺麗) VGA(最高) XGA(それなり) XGA(綺麗) XGA(最高)
1回目 2回目 1回目 2回目 1回目 2回目 1回目 2回目 1回目 2回目 1回目 2回目 1回目 2回目 LOW HIGH
GeForce FX 5600
Detonator 45.23
9463 7291 7288 6090 6101 2516 2513 5257 5271 3666 3684 1286 1279 5434 5405 3753 2217
GeForce FX 5600
ForceWare 52.16
9470 7237 7238 6115 6140 2568 2574 5198 5209 3677 3708 1299 1294 4342 4384 4299 2883
GeForce FX 5900
Detonator 45.23
14746 20043 20095 18171 18229 11784 11788 14116 14205 11645 11706 6345 6356 5473 5442 5171 4505
GeForce FX 5900
ForceWare 52.16
15014 19974 20019 18222 18264 12540 12572 14040 14127 11702 11773 6566 6578 5710 5764 5634 4931

確かに速度は概ね向上しています。下がっているのは「ゆめりあベンチ」の「それなり」です。またGeForce FX 5600においてはFINAL FANTASY XI Official BenchMarkも低下しています。それ以外はすべて向上していることから十分に導入効果が得られると考えていいでしょう。しかし、向上率はかなりばらつきがあり、高度な機能(新しい機能)ほど高速化しているようです。GeForce FX 5600でFINAL FANTASY XI Official BenchMarkのスコアが振るわない原因は不明ですが、実際にこの値になりました。しかし、こうしてみるとGeForce FX 5600のだめだめさが際立ちます。ゆめりあベンチでのこの差はもうなんともいえないレベルに達しています。FINAL FANTASY XI Official Benchmark 2でもHIGHにおいてかなり差が開いており、現在値段が下がっているGeForce FX 5900を購入するという選択肢は十分に現実的なものだといえるでしょう。そういう私も最近入手したわけですが..。

ForceWareは速度も向上していることが確認でき、バージョンアップしたいと思うかもしれませんが、ひとつ問題を確認しています。それはFINAL FANTASY XI for Windowsにおいて、BumpMap Enableにチェックを入れるとBumpMapを伴う描画が正常に行われないというものです。以下にその状態でのスクリーンショットを示します。

ForceWareでBumpMap有効時のスクリーンショット
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このスクリーンショットはバストゥーク商業区の居住エリア(モグハウス)を出たところです。BumpMapを用いて描画する部分がすべて塗りつぶされてしまっています。まさに「ぽつ~ん」という感じです。スクウェア・エニックスでもNVIDIAでもかまいませんが、この問題を解決していただけることを望みたいと思います。ソフトのパッケージにNVIDIAのロゴが入っていますし、技術提携もしているそうですのでぜひお願いします。この症状はGeForce FX 5600およびGeForce FX 5900の両方で現れます。Detonator FX 45.23では起こらないことを確認済みです。

他のソフトでも問題が出るかもしれません。まずはご自身がよく使用するソフトできちんと動作確認をしたほうがよいでしょう。

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