昨年の今頃、ZDNet Mobileが掲載した「FOMAはメールも第3世代? 人騒がせなFOMAのEメール」という記事をご存知でしょうか?
FOMAのメールはヘッダに誤りがあり、H”等へメールを送るといろいろと問題が出るという記事です。またこの記事をフォローする形で「Mobile Weekly Top10」という週刊のランク記事も掲載されました。こちらではRFCに関する指摘にも踏み込んでいるものの、
RFCの定義に外れているかどうかが1つの判断基準になるだろう。実は記事掲載前にも“RFC的にはどうなのか”をチェックした。しかし規格上はともかく、実際に不利益を被っているユーザーがいるため、筆者との相談の上、敢えてRFCに関しては触れないで記事を掲載させていただいた。
としています。私はこの2つの記事に対して、前者の記事に対してRFC上問題がないとする意味で「FOMAのメール仕様は本当に悪いのか?」というコラムと、その後者のフォロー記事に対してRFCに基準を置かないでFOMAのメールをどうこう言えるのかという意味をこめて「続・FOMAのメール仕様は本当に悪いのか?」というコラムを書きました。
そのFOMAのメールですが、現時点においてはどうなっているのでしょうか。興味を持った私は再び調査してみました。これはNTTドコモが新たに稼動させたCiRCUS(詳しくはNTTデータによるプレスリリース「NTTドコモの新規iモードゲートウェイシステム「CiRCUS」の構築完了」を参照)というiモードセンターの稼動に伴って何か変わったかもしれない、というぼんやりとした予感から生じたものです。
論より証拠ということで、FOMAから発信したメールの抜粋を以下に示します(一部メールアドレスや個別のメールの識別等に関わる部分を変更しています)。
Return-Path: xxxxxxx@docomo.ne.jp Date: Wed, 26 Jun 2003 13:46:02 +0900 (JST) From: xxxxxxx@docomo.ne.jp To: contact@kei-sakaki.jp Subject: from P2101V to e-mail Received: from docomo.ne.jp (mail113.docomo.ne.jp [203.138.203.13]) by ums514.nifty.ne.jp with SMTP id zzzzzzzzzzzzzz for <contact@kei-sakaki.jp>; Wed, 26 Jun 2003 13:46:07 +0900 Message-ID: <IMTxxxxxxxxxxxxxxxxx@docomo.ne.jp> MIME-Version: 1.0 Content-Type: text/plain; charset="iso-2022-jp" Content-Transfer-Encoding: 7bit メールの本文です。 |
このメールはFOMAの第1世代機FOMA P2101Vから送信したもので、従来であればContent-Type
がmultipart
となっていたものですが、上記のように一般的なメールヘッダを持ち、一般的なメールとなっています。これならば日本語に対応した現存する多くのメールエージェントで問題なく解釈できるはずです。NTTドコモはFOMAのメールシステムを改善してより一般的なものに変更したということがわかります。
既にFOMAユーザーはH”を含む他キャリアのメールアドレスに対して気兼ねすることなくメールをしても問題が発生しないであろうことがお分かりいただけるでしょう。そして、もしもFOMAのメールに懸念を持っていらっしゃる方にこのコラムを読んでいただければ、その懸念は過去のものであることをご理解いただけるでしょう。というわけでこの件に関して私のページにリンクしている方は既に問題が解決しています(問題がなくなっています)ので、リンクを解除してページの記載事項を訂正していただければと思います。たとえば日本テレコムのこのページ(でんわdeめーる)とか..。
実際にCiRCUSが関係しているのかどうかはわかりませんが、現状は今回紹介したようになっていることが確認できました。またFOMA P2102V以外の機種、たとえばFOMA N2051のような比較的新しい機種においてもこのメール形式であることを確認しました。全面的にこの形式に移行したとみてよいものと私は考えています。