IntelがSDカードサイズの「Intel Edison Development Board」を発表

2014年11月14日追記

こちらのページの情報は2014年1月にIntel EdisonをIntel Corporationが発表した直後に書かれたもので、現在のIntel Edisonシリーズとは異なるものについて言及しています。現在のIntel Edisonシリーズについては「IntelがIntel Edison Development Platformを正式発表」を参照ください。


IntelがInternet of Things(以下、IoT)向けとして発表したIntel Quark SoC X1000を採用するIntel Galileo Development Boardよりもはるかに小さい、SDカードと同じサイズのマイコン・ボード「Intel Edison Development Board」を、現在アメリカのラスベガスで開催中のCES 2014で発表しました:

このIntel Edison Development Boardは、Intel Quark SoC X1000を搭載するボードとは異なるターゲット領域を狙ったもので、これまでの一般的な情報デバイス的なもの以外に売り込むためのものです。

サイズは前述のようにSDカードと同じサイズと非常に小型です。この中に、

  • 新しいIntel Quark系のSoCを採用しており、以下の特徴がある:
    • 22nmプロセスを採用
    • 400MHzで動作するIntel Quark系のコアを2つ集積
    • CPUコアとは別にプログラマブルなマイクロ・コントローラー
    • スマートフォンやタブレットやその他の組み込み系で採用事例の多いLPDDR2インターフェース
    • 柔軟で拡張可能なI/O能力
  • Wi-FiおよびBluetooth LEに対応する無線通信機能を搭載
  • プログラマブルなマイクロ・コントローラーがI/Oおよび他のベースライン機能の管理を補助
  • LPDDR2およびNANDフラッシュ・ストレージ

といったものを詰め込んでいます。こういったハードウェアの特徴を含めて、Intelは以下のような用途・目的を想定あるいは提案しています:

  • 簡単で、超低消費電力な開発プラットフォームをSDカードサイズの小ささで実現する。
  • 従来のデバイスである、コンピューター、電話あるいはタブレットといった情報デバイスだけではなく、椅子、コーヒー・メーカー、コーヒー・カップなどの「もの」にも応用可能であり、これにより起業家や発明家の無限の発想を後押しする。
  • x86互換のプロセッサー・コアがLinuxをはじめとする多様なオペレーティング・システムと、そのうえで動作するアプリケーションをサポートする。
  • 高度にカスタマイズおよび洗練されたデバイスをIntel Edisonボードがサポートする。これらの搭載デバイスは、固定機能だけを持つわけではなく、スマートフォンやタブレットで行うように、ダウンロードしてインストールすることができる多様なのアプリケーションを持つことができる。
  • Intel Edisonは、Linuxとオープン・ソース・コミュニティ・ソフトウェア・ツールをサポートする、Intelによる開発技術を用いることができる。
  • スモール・サイズで豊富な機能を提供するIntel Edisonボードは、この分野への参入障壁を低下させ、従来のルールを変えるものである。

Intel Quark SoC X1000の時の発表は突然で、実際の製品ビジョンも不明確で、新CEOの就任に花を持たせるための存在ではないかとまで言われていたIntel Quarkの製品ラインに、実際の製品を伴い、またIntel Quark SoC X1000よりもIoTに適していると思われるSDカードと同等サイズの新たなカスタマー・リファレンス・ボード(Customer Reference Board : CRB)とそのためのSoCとが登場してきました。

従来のIntel Quark SoC X1000が32nmプロセスでの製造であったのに対し、今回の名称が公開されていないIntel Edison Development Boardに搭載されたSoC(以下、新SoC)は(出荷されている実際の製品では)最新の22nmプロセスでの製造であると発表されています。

また、Intel Quark SoC X1000がDDR3メモリーの採用をしていたのに対し、スマートフォンやタブレットで使用される低消費電力の定番メモリーであるLPDDR2を採用しています。こういった低消費電力路線と、22nmプロセスの採用の高密度化と低消費電力化によって可能になったと思われるデュアル・コアの採用、厳しい電力制限にも耐えうるために(x86ではないと思われる)プログラマブルなマイクロ・コントローラーの採用など、実際に採用される製品を見据えた設計となっているように思われます。

そして、実際に最初の製品を用意し、デモンストレーションまでしました。そしてそのデモンストレーションした製品は1月中に実際に販売されるというのですから、IntelのIoT分野への本気度というか、取り組みの素早さは本当に驚くばかりです。Intel Quark SoC X1000を採用した製品はもっとゆったり出てくると思っていた時のことを思い出します(その後やや遅延したわけですが)。Intelは一度決めると本当に動きが早い会社だと思います。

Wi-FiやBluetooth LEのMACおよびPHYのどの部分までが新SoCに含まれているのかは現時点ではわかりませんが、このSDカード・サイズでLinuxが動作して、400MHzで動作するコアをデュアルで搭載し、それがPentium ISA互換であるというのはなかなかインパクトがあるように思います。

さて、この「デュアル・コア」ですが、Intel Quark系のコアはIntel DX4がベースであることから、SMP(Symmetric Multiprocessing)の互換性が気になる方もいらっしゃるかもしれません。確かに、Intel 486シリーズの時代はSMPの仕様が必ずしも統一されていませんでした。このために、Windows NTをインストールする際に専用のHAL(Hardware Abstraction Layer)を適切に適用する必要があった記憶を持っていらっしゃる方もいるかと思います。

しかし、Intel QuarkではSoCの一部にAPICを含むようにしているため、Pentium ISA互換と相まって現在のOSとの互換性が確保されています。このことが、シングル・コアであるIntel Quark SoC X1000の仕様の時点で決められていたことを考えると、いずれは今回のように複数のコアを搭載することを念頭に置いていた可能性もありそうです。

もう少し、このIntel Edison Development Boardの資料が公開されたら、再び内容を検討してみたいと思います。

しかし、このネーミング。偉人路線をずっと続けるのでしょうか…?

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