第3世代移動通信システムFOMA ~ NTTドコモ規格による3G対応携帯電話について ~

目次

はじめに

このページでは、NTTドコモが正式サービスを開始した第3世代移動通信システム「FOMA」について取り上げます。他のページの様に一気に書き上げて公開するのではなく、少しずつ更新しつつ公開していく予定です。

FOMA

FOMAとは

FOMAとは、NTTドコモが2001年5月30日より試験サービスを行い、2001年10月1日から商用サービスを開始した、いわゆる第3世代移動通信システム対応のサービス名です。第3世代移動通信システムの規格はW-CDMA規格とcdma2000の2種類がありますが、NTTドコモとJ-PHONEはW-CDMAを、KDDIはcdma2000を採用(あるいは採用予定)しています。W-CDMAは新規に設計された規格であり、導入には非常に多くの資金が必要となります。cdma2000はcdmaOneのバージョンアップ規格にあたり、すでにcdmaOneネットワークを導入している場合、W-CDMAを導入する場合と比較して圧倒的にローコストであるという特徴があります。

機種変更の方法も変更されました。従来の携帯電話では契約時にNTTドコモのセンターに使用する携帯電話を登録することによって使用可能となるようになっていました。このため、使用する端末の機種変更も購入するだけではなく、センターに登録しなおしてもらう必要があるため、個人で自由に機種変更をすることはできませんでした。また、複数の端末を所有していても自由に使用する端末を変更するというようなこともできませんでした。しかし、FOMAではFOMAカードと呼ばれるカードの情報がセンターに登録されており、このカードを端末に差しかえることによって、機種変更を個人で行えるようになりました。これにより、複数の端末を所持して気分や用途によって端末を随時変更するといったことが可能になっています。この方式変更に伴って、FOMA端末は契約を伴わない単体の販売も行われています。(普通の固定電話も個人で好きに機種を変えられるのですから、普通の電話に携帯電話が近づいたといえるのかもしれません。)

FOMA対応端末

このページを作成している2001年11月10日現在、FOMAサービスに対応したFOMA端末は以下の4種類が出荷および発表されています。

  • FOMA N2001
    日本電気製のスタンダードタイプと呼ばれる端末です。データ通信と音声通話およびマルチアクセスに対応しており、電話をしながらiモードで調べ物をするといったことが可能になっています。このため、各機能はマルチタスク的に切り替えて使用できるようになっています。ディスプレイには世界初と思われる有機ELを採用しており、非常にあかるいくっきり表示画面が印象的です。一つ弱点を挙げると、iアプリがN503i/iS相当になっている点です。FOMAで実現されるとされていた、30キロバイトのiアプリは実行できません。
  • FOMA P2101V
    松下通信工業製のビジュアルタイプと呼ばれる端末です。音声通話とテレビ電話に対応しており、カメラが内蔵されています。カメラで撮影した写真をメールに添付して送信することができるなど、非常にユニークな端末に仕上がっています。ただし、データ通信には対応していません。iアプリのサイズは30キロバイトに拡張され、メーカー独自の拡張としてスクラッチパッドも30キロバイトに拡張されています。ディスプレイは26万色の表示が可能なTFT液晶を採用しています。この液晶は176×220ドットの解像度があり、携帯電話のディスプレイとしての表示能力としては現時点で最高となっています。
  • FOMA P2401
    松下通信工業製のデータタイプと呼ばれる端末です。データ通信専用の端末であり、形状もモバイルに適したPCカード型となっています。データ通信専用のため、音声通話を行うことはできません。
  • FOMA N2002
    日本電気製のスタンダードタイプと呼ばれる端末の新バージョンです。ディスプレイが4096色対応から65536色対応に、iアプリのサイズが30KBに、またiアプリ中でJPEGと標準MIDIファイルが使用できるように変更されています。さらにFOMAによる新サービスであるiモーションに対応しています。今後の全てのFOMA端末がiモーションをサポートするということで、この端末がFOMA世代のiモードのスタンダードになるでしょう。

FOMAカード

前述の様に回線契約はFOMAカード側に存在し、FOMAカードを挿したFOMA端末がその契約として使用できます。このFOMAカードは、あまり知られていませんが現在のところ2種類存在しているようです。1つは大日本印刷製、もう1つは日本ジェムプラス製です。FOMAカードはNTTドコモに所有権があり、それを契約者が貸与されるという形であるため、どちらのカードが使用されるか契約者にはわかりません。そもそも、機能に差がないようなので気にすることもないとは思いますが。(余談ですが、貸与対象となるFOMAカードは当然販売物ではありません。しかし、なぜかJANコードが割り当てられています。大日本印刷製のFOMAカードは4942857105483、日本ジェムプラス製のFOMAカードは4942857105490です。)

写真1:大日本印刷製FOMAカード(切り離し前)
大日本印刷製FOMAカード(表・S)(表) 大日本印刷製FOMAカード(裏・S)(裏)
写真2:日本ジェムプラス製FOMAカード(切り離し前)
日本ジェムプラス製FOMAカード(表・S)(表) 日本ジェムプラス製FOMAカード(裏・S)(裏)

FOMAカードのIC部分以外は双方ともあまり外観に差はありません。バーコードとそのコードの印刷が大日本印刷製(写真1)の方がはっきりとした黒でなされているのに対して、日本ジェムプラス製(写真2)では茶色に近い色で印刷されていたり、フォントが違うといった程度です。ただ、IC部分と台紙の接合部分が大日本印刷製のものは台紙の方向で下に向かった1辺で接続されているのに対して、日本ジェムプラス製のものは左右2ヶ所で接続されているという差があります。このため、この2種類のカードはIC部分の切り取り方が異なります。(切り離し方はカードが収められている紙製のパッケージに記載されています。)

なお、両者は素材が違うようで、大日本印刷製のほうはPET+PCと記載されていますが日本ジェムプラス製のほうはPETとしか書かれていません。その他には微妙ですが厚さも異なります。大日本印刷製のほうが日本ジェムプラス製よりも若干厚いです。

写真3:切り離したFOMAカード(双方)
100円、大日本印刷、ジェムプラスのSIM写真(S)
(表:順に100円、大日本印刷製、日本ジェムプラス製)
日本ジェムプラスと大日本印刷のFOMAカードの裏
(裏:順に日本ジェムプラス製、大日本印刷製)

IC部分のみを見てみると接点の形状が大分異なることがわかります。これだけことなる形状でありながら、双方のFOMAカードは互換性があり、どちらのカードもFOMA規格の電話機でそのまま使用することができます。何か不思議な感じです。

NTTドコモが何故わざわざ2種類のFOMAカードを用意しているのはわかりませんが、私としてはこれは保険なのかなぁ、と考えています。どちらかのカードに何らかの不具合(管理上の問題を含む)が出た場合に代替の製品がない、というのはまずいですから..。勝手な想像ですが(^^;

もしもこの2種類以外のFOMAカードの存在をご存知でしたら教えていただけると幸いです。

私の選択

FOMA対応端末3種類のうち、データ通信に関してはDDIポケットのH”で満足しているため考慮せず、FOMAらしさ、FOMAでしかできないことに注目して私が選択したのは松下通信工業製のFOMA P2101Vです。このページではFOMA P2101Vについて(時間の関係上)簡単に触れたいと思います。(某ドコモショップの方にFOMA N2002が発売されることをあらかじめ知らされていたこともあります。)

FOMA P2101V

標準セット

NTTドコモの端末は特別なケースを除いて端末(電話機)とバッテリー、ACアダプター、ホルダといったものがセットで販売されます。DDIポケットやKDDIなどの様に1つの箱に1セット全てが入っているような形ではなく、それぞれのユニットがそれぞれの小さな箱に入っているという形で販売されます。そのうち、1セットの標準というものがいわゆる標準セットです。通常、新規契約や機種変更を行うと、この標準セット単位で販売されます。標準セットの構成は端末によって若干異なます。

FOMA P2101Vの標準セットは以下の通りです。(ドコモショップで何も注文をつけずに購入した場合。)

  • FOMA P2101V本体
  • 電池パック P02
  • ACアダプタ P01
  • 卓上ホルダ P02
  • 平型スイッチ付きイヤホンマイク P01

このうち、電池パックは2個付属が標準です。さらにオプションで以下のものが用意されています。

  • 電池パック充電器 P02
  • キャリングケース P02
  • DCアダプタ P01
  • 車内フォルダ P02

外観

ブルーとシルバーの比較的落ち着いた外観です。P503iS程に男性的なデザイン(最近、女性狙いと思われる新色が出ましたが)ではなく、いい感じにまとまっていると思います。他のFOMA N2001とも共通するのですが、アンテナがないのもよいといえます。持ち運びのときも引っ掛かる部分がありませんし、通話のときも開くだけでよく、実用性の向上に役立っています。最初はアンテナがないとわかっていても、どうしても体がアンテナを伸ばそうとしてしまうのが若干悲しかったのですが、最近は慣れました。

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P2101Vを閉じて左手前からの写真 P2101Vを閉じて上からの写真 P2101Vを閉じて右手前からの写真

端末の左側には赤外線ポートがついています。P2101V同士の他、P503i等とアドレス帳データのやり取りなどが行えます。右側には専用イヤホン端子がついています。ここに標準セットに含まれる専用イヤホンを差して使用します。TV電話の時には事実上必須らしいです。

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P2101Vを開いて手前からの写真

問題は厚さと重さです。上着などの胸ポケットへ入れるのはあきらめるのが正解です。それさえ覚悟してしまえば思ったよりも気になりません。また使ってみて気付いたのですが、この巨大さのおかげでキーが打ちやすく感じます。ほかの小型系端末で入力をしようと思うと、その差がよくわかります。やはり、持ち運びのとき以外はある程度大きさがあったほうがいいなぁ、と感じます。これはノートパソコンに対する欲求に似ているでしょう。ディスプレイとキーは大きい方がよいです。

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P2101VとP503iSを開いて並べて手前からの写真 P2101VとP503iSを開いて並べて裏からの写真

同じ松下通信工業製のPDC端末であるP503iSとFOMA P2101Vを並べておいてみるとこの様な感じです。ひと目でFOMA P2101Vの方が大きいとわかる感じです。この写真で見るよりも実物を比べた方が、よりそのように感じます。

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P2101VとP503iSを開いて並べて横からの写真

横から見てみるとFOMA P2101Vの厚さが際立ってきます。特にディスプレイ部分の厚みはかなりのものです。実際、ボタンが配置されている下側よりもディスプレイの搭載されている上側の方が重いようです。

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P2101VとP503iSを閉じて横からの写真 P2101VとP503iSを閉じて手前からの写真

折りたたんだ状態で比較すると、ひたすらFOMA P2101Vの厚さが目立ちます。しかし、突起物であるアンテナがないため、収納したときには見た目ほど邪魔ではありません。

iモード機能

iモードブラウザ

FOMA P2101Vのiモードブラウザは表示できるページサイズが大容量になってJPEGをサポートしたものになっています。文字のサイズは標準と縮小が選択でき、標準時は16×16ドットのフォントで、縮小時は12×12ドットのフォントで表示されるようです。標準フォントの場合は文字がきれいだなぁ、というくらいですが、縮小モードだと非常に大量に文字が表示され、使い勝手が非常によくなります。その代わり、通常のiモードを意識したページだとバランスが悪いこともありますが(^^;(そのうち写真入れます。)
いくつかのタグの文字サイズ設定も有効に作用するようで、ページによっては文字の大きさが変わっている場合もありました。シンプルなページであれば、一般ページでもそれなりに見れるようになっています。ただし、従来のPシリーズと同様、TABLEタグはまったくサポートされていません。(Pシリーズは伝統的に独自のブラウザソフトを採用しており、ACCESS社CompactNetFrontを採用している他社のiモード端末とは結構違う感じになっています。)

何より非常に高速で、従来のiモードにありがちなちょっと待つ感じが大幅に軽減されています。もう、さくさくという感じで、一度体感すると従来iモードに戻りたくない感じです。いいですね、これは。

公式iモードサイトの方は従来iモードのメニューを見慣れていると、うわぁ、なんか少ないなぁ、という感じがします。お気に入りのサービスがある場合はFOMAへ契約変更をする前に、そのサービスがFOMAでもサービスされているかどうかをよく確認する必要があるでしょう。

非公式サイトの一部もなぜかFOMAではアクセスできないところもあります。個人的に使えて欲しいなぁ、と思うのはインプレス社AKIBA PC Hotline!iモード版です。これをFOMA P2101Vで見ようとすると「無効なデータを受信しました(502)[改行]Your request cannot be processed.[改行]Please try again later.(502)」と表示されます。(実際のメッセージは[改行]の部分で改行しています。) プロトコルがHTTP/1.0からHTTP/1.1に変わった影響でしょうか?(※)

※(2001/11/18追記)この件はiモード用コンテンツページ側でContent-LengthがHTTP内に含まれていないために発生している不具合のようです。AKIBA PC Hotline!のページに記載されているメールアドレスにこの旨を書いたメールを送信してみました。
※(2001/11/19追記)18日の夜の日付でFOMAに受ける不具合の確認をし、対応できるようであれば今後対応したい旨の返信を受け取りました。少なくとも従来のiモード機では見れるように改善していただけたようです。(それ以前は従来機でも一部の機種で正常に見れる状態ではありませんでした。)
※(2002/01/17追記)現在もFOMAではAKIBA PC Hotline!を見ることができません。ちょっと残念です。
※(2002/02/28追記)2002/2/25くらいからAKIBA PC Hotline!を見ることができるようになったようです。

メール

従来のiモードが250文字までのメールだったのに対して、5000文字も扱えるようになっています。しかも添付までできる高機能ぶりで、非常に強力です。メールの表示中フォントサイズも標準と縮小が選択でき、縮小を選択すれば1画面にかなりの文字が一度に表示され、大変便利です。標準では今までどおりの文字数ですが、フォントはこちらの方がきれいです。

メールにメロディを添付して送付すると、そのメールを受信して表示した時にメロディが演奏されます。(演奏されないように設定することもできます。)メロディつきのメールサービス、なんていうのも今後流行るかも?しれません。

当然、送信する場合にもファイルを添付することができます。後述するカメラで撮影した静止画を添付する、Jフォンで言うところの「写メール」もできます。iモードサイトでダウンロードしてプレイヤーの中に入れたファイルを添付することもでき、それなりに面白く使えそうです。(ただし、著作権情報が設定されている場合は添付できません。)

iアプリ

iアプリのサイズが30キロバイトに拡張され、スクラッチパッドのサイズも30キロバイトに拡張されていて、なおかつ標準MIDIファイルとJPEGファイルが使用できます。画面も大幅に広くなっており、使い方次第では非常に便利なiアプリを作れそうです。ただし、処理速度はP503iSとあまり変わらない感じで、SO503i/SO503iS並みの処理速度を期待していた私々がっかりしました。しかし、それ以上にビックリしてがっかりだったのは、液晶が26万色対応なのにiアプリでは256色しか使えないという情報が渡されることです。うっひゃ~と思って調査を続けたところ、なんと実際に使用できる色数はさらに少ない192色なのです。つまり、iアプリで使用できる色数は、TFT液晶の表示能力の1365.3分の1なのです。ちょっとショックな仕様です。

画面サイズが変わった関係で、対応iアプリが激減しています。公式iモードサイトで色々と見て回っても、FOMA P2101Vには対応していない、と明言しているところが結構多い感じです。これは今後改善されていくでしょう。

通話音質

PDC端末より圧倒的によくなっています。とはいっても、よくなるのは固定電話、PHS、cdmaOneそしてFOMAとの通話に限られるわけですが..。音質のよさを常に実感するのはもう少し時間がかかりそうですが、固定電話やPHSとの通話時の音のよさ(自然さ)は気にしなければかなりいい感じです。(cdmaOneとは試していないので本当によくなるのか未確認です。)
ノイズキャンセラがデフォルトでONになっているので、気になる場合はこの機能をOFFにしてみるとより自然に感じることができるかもしれません。

テレビ通話

現在のところ、P2101Vのみに搭載されている機能に「テレビ電話」機能があります。これはその呼称の通り相手の画像と音声を見ながらこちらの画像を送りつつコミュニケーションを取るという機能です。従来の音声のみのサービスに映像が加わっただけ、といえばそれまでなのですが、実際に使用してみるとその可能性はかなり大きいように感じました。

想像以上にスムーズな動画と従来のPDCよりも高い音声品質の両方が確保されており、非常に優れたサービスに仕上がっています。相手の表情を十分確認できますし、その背景も十分認識可能です。多少動いた程度ではブロックノイズもあまり発生しません。(激しく動く場合には発生しないわけではないのですけれど、十分許容できる範囲です。)
あとはこの機能を搭載した携帯電話あるいは固定電話がいかに流行るかにかかっているといえます。テレビ電話で会話をしたい相手がこの機能を使用できない状態であれば、それだけで意味は失われてしまいますので..。

ところで、FOMAのテレビ電話モードでの通話はデジタル通信モード、つまり回線交換方式による64kbps接続によって行われます。FOMAの高速なデータ通信としてパケット通信による384kbpsが話題に上りますが、パケット通信でも上りの速度は最大64kbpsであり、安定したデータ通信が必要とされるテレビ電話モードでデジタル通信モードによる64kbps接続を行うのは非常に理にかなっています。

64kbpsという速度は既にPHSによるデジタル通信でも使用可能な帯域であり、新規性を感じないという意見もありますが、従来の携帯電話の速度が9600bpsであったことを考えれば、それなりに評価できるのではないでしょうか。

また、速度が一緒ということでPHSの側で同様のテレビ電話機能(3GPPによる3G-324M)を搭載することができれば、FOMA~PHS間でテレビ電話モードによる通話ができるようになるはずです。実際に実現するかどうかはわかりませんが、固定電話のINSネット64でFOMAとテレビ電話できる製品が発売されていますので、可能性がまったくないこともないのではないかと思っています。

音声通話の様にキャリアの壁、通信網の壁を超えて相互に同様の規格でテレビ電話機能が使用できるようになれば、本当に可能性のあるサービスになるのではないでしょうか。

カメラ機能

テレビ電話のためのカメラで静止画の撮影と映像の撮影(音声付!)が行えます。撮影したものはプレイヤー機能で再生および表示できます。また、静止画に関してはメールで添付して送付することができます。ただし、メールへの添付にはサイズ制限があるため、最も高画質なモード設定でなおかつ大きなサイズの設定で撮影するとメールに添付することができなくなります。画質が標準モードでもサイズを大きくしていると添付が難しいことが多いようです。

元々添付ができない映像と添付できるサイズを超えた静止画は端末から外へ出す手段がまったくありません。このことはあらかじめ知っておくべき点です。知らないと非常にがっかりするでしょう(^^;

ただし、それをあらかじめ知っていて割り切って使うのであれば非常に面白いです。持ち運び可能な携帯電話に映像が入っていて、それをどこかにもっていて誰かに見せられるというのはそれなりに楽しい機能です。内蔵のプレイヤーは異様に高機能ですし(^^; 4本の動画を同時に再生したり、静止画をスライドショー表示できたりします。

カメラで撮影した静止画を待ち受け画面に設定することもできます。ただし、撮影した映像よりも大幅に画像劣化します。どうやら内部的にはGIFに変換しているようで、誤差拡散によるディザで表現されます。(調べない様がないのでわかりませんが、もしもこの待ち受け画面もiアプリの様に192色だったらイヤだなぁ、と思いますが、どうなのでしょう? 時間があるときにでもカラーチャートを添付メールで送付して試してみるのもありかもしれません。)

着信メロディ

デフォルトでブザー7種類、メロディ8種類が登録されています。この他にダウンロード登録が30種類行えます。(添付メールで受信したものも登録できます。)デフォルトでは登録用の30種類にも短いメロディが入っています。

曲目は、ルパン3世のテーマ’78、アンチェインド・メロディ、素直になれなくて、プレイバックPARTⅡ、聖者の行進、SCARBOROUGH FAIR、ピアノ協奏曲第一番、主よ人の望みの喜び、となっています。(端末表示通り。)

音質はP503iやP503iSの系統ではあるものの、変わった様です。P503iやP503iS用とされるメロディもそのままでは変な感じ(主観)なのもあるようです。標準MIDIファイルもGMレベル完全サポートというわけではないようで、音数が少ないものでも再生が変なものもあります。メロディを自作する場合は色々と試して、使用可能な音色をチェックする必要がありそうです。

端末単体でオリジナルメロディを作る機能はないみたいです。(よく見ていないのでもしかするとあるかもしれません(^^;)

バッテリーの具合

FOMAはバッテリーが持たないことでも有名です。カタログによる公式の待ち受け時間は55時間となっています。普通に何も意識せずiモードやiアプリ、内蔵ゲーム、メール書き、通話を行うと、大体1日たたないうちにバッテリーが厳しい状態になります。自宅へついたらすぐに充電という感じでしょうか。逆にそれさえしていればそんなものかもしれません。バッテリーが2つついてくるので交互に使っていればそんなもんかなぁ、という感じです。連続通話時間は従来機種とそんなに変わりませんし..。

個人的にお勧めなのは、2個のバッテリーの片方を使っている間にもう片方を充電するために、電池パック充電器を使用することです。これがあれば、少なくとも片方は常に電池がフル状態にできるので、夜充電時に電池交換して、朝出かける前にまた電池交換するというような使い方をすれば1日1回の充電で何とかなります。(心配であれば予備のバッテリーパックの持ち歩きをしてしまってもいいでしょう。そんなに大きくないですし。) なお、これは私の使い方で何とかなるだけなので、人によってはこれではどうしようもないケースもあるかと思います。

ただし、一言で言うならやっぱりバッテリーの持ちは厳しいと言えます。私がもう少しヘビーユーザーになると文句が出てきそうな感じです。予備バッテリーを持ってあるく気があるならば、何とかなる感じでしょうか? 単純に55時間×2と考えるなら遜色がないレベルになるわけですから。

ちなみに電池の残量を示すマークは3つの時から2つへ減ると、かなり早いうちに残り1つになります。この残り1つになってからEMPTY表示が出るまでがまた結構長いです。

障害?

アンテナ3本で接続不能

これは結構高い頻度で起こります。起こるのは場所に依存するようで、電波状態が何らかの問題があるのにもかかわらず、アンテナが3本立っているというのが正解なのかもしれません。こうなるとiモードも通話も不能になります。別の電話から電話へ発信すると圏外アナウンスが聞こえる状態になります。電源を入れたり切ったりを数回繰り返すと使えるようになることもあります。これは端末が基地局への端末登録を電源の入り切りの度に試みるために場合によってはうまくいくのだろうと思われます。

iアプリでこの状態が起こると、ステータスがUNDEFINEDConnectionExceptionがthrowされます。

H”端末との相性?

一時再現性がほぼ100%あったのですが、現在では確認できないため改善されたのかもしれませんが、一時期H”からFOMAへ発信すると呼び出し音が聞こえてくる前に「ぴぃ~」という高い音(かなり不快な音)が聞こえてくることがありました。このとき、DDIポケットに聞くのがいいのか、NTTドコモに聞くのがいいのか、判断に迷ってみたりしました(^^;

FOMA N2002

外観

FOMA N2002はシルバーとフォレストブルーの2色が用意されています。このうち、今回紹介するのはシルバーの方です。フォレストブルーもなかなかいい感じですが、FOMA N2001のレッドの魅力には負けるのではないかと思います。シルバーは無難な感じで過不足ないといったところでしょうか。

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N2002を閉じて左手からの写真 N2002を閉じて手前からの写真 N2002を閉じて右手からの写真

このFOMA N2002にもFOMA P2101Vと同様にアンテナがなく、非常にスマートな感じです。閉じている状態で、キーボード側がディスプレイ側よりも大きいのが特徴でしょう。まるであごが出ているような印象です。

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N2002とN503iを開いて手前からの写真 N2002とN503iを開いて横からの写真

従来のPDC端末であるN503iと比較してみると、やはり「あご」の分だけ大きいことがわかります。しかし、N503iにはアンテナがあるため、この長さも本体サイズに入れるのであれば FOMAN2002の方がコンパクトであるといえます。

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N2002とN503iを閉じて手前からの写真 N2002とN503iを閉じて比較した写真

折りたたんだ状態ではほぼ同じ大きさです。ただ、FOMA N2002は写真の向こう側に「あご」が出ているので、その分はFOMA N2002の方が大きいです。しかし、見てのとおりN503iはアンテナが突起物として存在しており、それを入れるとN503iの方が大きい感じです。ポケットやバッグの中での収まりに具合についても同様です。厚さもアンテナがなければN503iの方が薄いのですが、このアンテナを含めると現時点ではフラットなFOMA N2002の方が薄い感じを受けます。(サイズは計ってません。)

FOMA P2101VとFOMA N2002の比較

外観

今度はFOMA同士を比べてみました。比べてみたのはFOMA P2101VとFOMA N2002です。西日本地区で2001年12月からサービスインする際に投入される端末もこの2機種とデータ専用の合計3機種であり、電話機としてはここに示す2機種になります。

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P2101VとN2002を並べて開いた写真

FOMA P2101VとFOMA N2002を並べておいてみると、実にFOMA P2101Vが大きいかがわかります。見るからに大きく、一回りは大きい感じでしょう。むしろ、それほど小さいわけではないFOMA N2002が小さく見えてくるから不思議です。

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P2101VとN2002を閉じて上からの写真 P2101VとN2002を閉じて横からの写真

折りたたんだ状態でもやはり状況は変わらずFOMA P2101VはFOMA N2002より圧倒的に巨大です。どちらもアンテナがなく、バックやポケットへの収まりはかなりよいです。

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P2101VとN2002を閉じて横からの写真

横から折りたたんだ状態を見るととにかくFOMA P2101Vが分厚いことがわかります。FOMA N2002はFOMA N2001より数ミリ厚くなったそうですが、それでもFOMA P2101Vと比較すると非常に薄く感じてしまいます。

更新履歴

  • 2001/11/17(初版)
    • まだほとんど字ばっかりのページですが、そのうち色々と追加していきたいと思います。
    • 現在FOMA P2101Vをメインに据えて使用中です。
    • ただ、私はサブにH”を使用しているので、現状にそんなに不満がないのかもしれません。
    • 唯一の端末をFOMAにするとまた別の感想を抱くかも..。
  • 2001/11/18
    • AKIBA PC Hotline!のiモード版がFOMA P2101Vで見れない&従来機でも一部挙動不審な件を編集部にメールしてみました。
  • 2001/11/19
    • 返信を18日の夜にインプレスのPC編集統括部の方からいただきました。FOMAでの不具合を確認し、対応できるようであれば対応したいとの事でした。
  • 2001/11/22
    • FOMA P2101Vの外観にP503iとの比較写真と一言コメントを加えました。
    • 今日、iモードを使っていたら突然リブートがかかりました..。突然バックライトが消えて、起動画面に戻ったときは唖然としました。(FOMA P2101V)
    • その後は異常なく使えています。なんだったのでしょう?
  • 2001/11/23
    • FOMA N2002の外観とN503iとの比較写真、それに一言コメントを加えました。
  • 2001/11/24
    • FOMA P2101VとFOMA N2002の比較写真と一言コメントを加えました。
    • FOMA P2101Vの巨大さが際立つ感じに仕上がっています。
    • FOMA N2002の写真を一部入れ替えました。
  • 2002/01/17
    • FOMAカードが2種類存在する件に関してインデックスページで書いていたものをこのページにも転記しました。
    • テレビ電話を使用した感想や今後への期待を加えました。
  • 2013/08/10
    • 以前公開していたものを移設して再公開しました。
    • 内容は以前のものからまったく変更していません。