安倍総理が駐韓大使を帰任させた件について思うこと

普段はこの「さかきけいのメモ」では政治的な話題を書くことはしていません。ですが、一方で今現在の私の仕事は政治的な事象が関連する部分があることもあり、日々の政治ニュースを注視しているところです。またこの「さかきけいのメモ」は私個人の私的なメモという位置づけで書いているものです。このためせっかくですので、政治的なことについても少しだけ書いてみることにしたいと思います。

ただし、あくまでも「私の視点」で該当する部分の独自解釈による思考(あるいは妄想)をしてみるものであり、特定の政党・政治家を支持したり批判したりするものではありません。そして、そのように読まれないように書いているつもりです。そのことをあらかじめご考慮いただければと思います。

それらのことを前提の上、今回は安倍内閣が長嶺駐韓大使を4月4日に帰任させることにしたと発表をしたことについて書いてみようと思います。

この件についていろいろと論じられており、韓国側への配慮をした弱腰の姿勢であると指摘する向きもあります。しかし私は、これはそうではなく、次に続く一手の用意をするための帰任であると見ています。

安倍総理の政治理念は自書「新しい国へ 美しい国へ 完全版」で表明している通りに「戦後レジームからの脱却」です。この政治理念を実現するために、安倍総理は次々と手を打っているのが現状であるように見えます。広島・長崎への原爆投下に対応するためのアメリカのオバマ大統領(当時)の広島訪問の実現、自身のアメリカ真珠湾への訪問の実施、北方領土問題に関するロシアのプーチン大統領との対話の開始、中国との尖閣諸島関連の対応、沖縄基地問題への各種対応、そして大韓民国(韓国)とのいわゆる慰安婦問題への対応など、すべてはこの「戦後レジームからの脱却」へ向けた具体的な行動であるとみることができます。つまり、すべてはつながっている一連の対応であると見るべきだと考えます。

今回対象とする、対韓国としてのいわゆる「慰安婦問題」については、2015年12月28日に日韓両外相共同記者発表で合意を発表したことがこれにあたります。これは安倍総理の支持基盤の一部である国内右派にとってあまり良い知らせではありませんでしたが、それでも安倍総理は実施しました。それだけ重要視していたことと見ることができます。だからこそ、この合意がうやむやにされることを避けるために、2016年12月30日に釜山総領事館前へいわゆる慰安婦像が設置された後に度重なる外交ルートを通じた警告ののちに、駐韓大使の一時帰国を決定したわけです。ここで後に下がることは一切考えていないであろうことが、この対応から見て取れます。

一時帰国の後、いつ駐韓大使を戻すかは難しい問題です。政治的にはこぶしを振り上げるときには、おろすときの条件を事前に考えておくものです。おそらく、今回の振り下ろす条件の1つは「朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾(あるいは失脚)が成立すること」だったのではないでしょうか。なぜならば、駐韓大使の一時帰国には朴槿恵政権が合意を履行しないことに対する抗議の意味が色濃くあったからです。であるならば、朴槿恵政権が終わるのであれば、その意義の一部が失われるとみることができます。

一方で、朴槿恵政権が終わり、次の政権への移行が始まる段階で駐韓大使がいないという状況は好ましくはないと事前に考えていた可能性がないとは言えないでしょう。それはつまり、次の政権、おそらくは 文在寅(ムン・ジェイン)候補が大統領となるとき、日本側の意向を伝える役目を果たすことが期待されているのが駐韓大使ということになります。もちろん、現在の大統領代行である黄教安(ファン・ギョアン)首相へも訴えかける必要はあります。なぜならば、それは日本の立場を韓国と海外へ示すことになるからです。

その状態で、もしも次期政権が日韓合意を破棄あるいは「不可逆的かつ最終的」という合意を破って(=それ自体が事実上の合意の破棄)再交渉を求めてくるのであれば、その時は改めて一時帰国措置を取る、そのための帰任であるとも見ることができるのです。つまり、もう一度こぶしを振り上げるために、いったんこぶしを下げた状況だと見ることができると思うのです。

対外的に、朴槿恵政権でも合意は履行されず、また次期政権でも合意が履行されず、日本としてはやむを得ず再度一時帰国をするしかなかった、という状況を作り出すための帰任だろうと思えるのです。

そのためには一時的な「正常な状態」が必要なのです。安倍総理はこういったことを考えているのではないでしょうか。さらに言えば、結果として合意が維持されるのであれば、それ自体に対して日本が負うべきリスクはないのです。なぜならすでに合意に基づく義務を履行済みだからです。

また、一部情報ではアメリカのトランプ政権が対北朝鮮で強硬な対応を示しており、中国に対しても有効な対応をしなければ直接対応するといったような要求をしているともいわれています。そのような情勢であることも判断に影響を与えているのかもしれません。

いずれにしても今回の帰任は、次の大統領選挙後に韓国で反日政権が誕生することを見越し(=主要大統領候補全員が「日韓慰安婦合意を破棄あるいは再交渉」を表明しています)、日韓合意を韓国が履行しないことを前提として、再度一時帰国させるための状況整備(=1か月以上の“正常な状態”の演出)を行うものであると考えるべきだと思います。

それが安倍総理が考えているのことなのではないか、そんな風に想像してみました。正しいかどうかは何とも言えませんが、私にはそう思えるのです。

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