オウルテックの3モード対応フロッピー・ディスク・ドライブを試す

はじめに

PC-9800シリーズのメンテナンスをしながら、過去のフロッピー・ディスクを現代のマシンで読み書きできることの重要性を感じています。そんなことを考えているところに、以下の記事を見かけました:

そこそこのお値段でUSB接続の3モード対応フロッピー・ディスク・ドライブということで、なかなかよさそうに思えました。

メーカーであるオウルテックの製品紹介ページ「フロッピーディスクドライブUSB接続 外付け ポータブル  3モード対応!  OWL-EFD3-YL」によれは、標準のドライバーで動作可能ということで、今後のOSを含む、いろいろなOSで使っていけそうな製品である点もよさそうだと思いました。

そんなわけで、購入してみることにしました。

オウルテック OWL-EFD3/YL

この「オウルテック OWL-EFD3/YL(4942322002309)」を通信販売で注文したのですが、なかなか届かず、どうなっているのかな~と首を長くしつつ待っていたところ、先週末に届きました。

OWLTECH EFD3/YL 箱・表OWLTECH EFD3/YL 箱・裏

1.44MB/1.25MB/720KBの3モード対応、USB 2.0(Full Speed 12Mbps)規格対応※1、OS標準ドライバー対応という前述の特徴がアピールされています。

ドライバーがOS標準のものが使用できるため、フロッピー・ディスク・ドライブのドライバーをフロッピー・ディスクで供給して、それを読むフロッピー・ディスク・ドライブは?という、鳥と卵の関係のような問題は回避できています 🙂

OWLTECH EFD3/YL 箱から取り出し中

箱を開けるとフロッピー・ディスク・ドライブと紙が1枚入っています。フロッピー・ディスク・ドライブは箱の表側を上にして取り出すと、裏側が上になって取り出されるように入っていました。

OWLTECH EFD3/YL 中身

こんな感じのドライブです。あ、これ、どこかで見たことある…。と思って、手持ちのフロッピー・ディスク・ドライブをゴソゴソとして比較してみたところ、ワイ・イー・データ製のドライブのようですね。

ワイ・イー・データ製のベアFDDを重ねてみた写真

色違いですが、フロッピー・ディスクのイジェクト・ボタンの位置やアクセスLEDの位置が同じで、アクセスLEDの形状(模様)も同一です。

Windows 7マシンにつないでみる

このフロッピー・ディスク・ドライブを、Windows 7 Ultimate Service Pack 1(64ビット版)のインストールされたマシンに接続してみました:

ドライバーのインストールが終わったキャプチャ

ちゃんとOS標準のドライバーで認識されました。やはりワイ・イー・データ製のよう(?)※2ですね。「デバイス マネージャー」では以下のように表示されます:

「デバイス マネージャー」での表示状況のキャプチャ

元々搭載されているマザーボードに直結のフロッピー・ディスク・ドライブと、今回のOWL-EFD3/YLがそれぞれ認識されています。

周りを見回して、1.44MBでも720KBでもない、明らかに3モードだからこそアクセスできる1.25MBフォーマットのフロッピー・ディスクを探してみたところ、以下のものを見つけました:

月刊アスキー1995年6月号 特別付録のフロッピー・ディスク

「月刊アスキー1995年6月号 特別付録 お楽しみディスク vol.24」です。当時はInternetが一般的になる時代の前で、パソコン通信時代です。しかも、そのパソコン通信も高い料金を支払いつつという状況だったので、雑誌の付録としてこのようなものが魅力的だったのです。

さて、このディスクをWindows 7の「エクスプローラー」で見てみます:

1.25MBの特別付録ディスクをエクスプローラーで開いてみたキャプチャ

このようにちゃんと1.25MBフォーマット(PC-9800シリーズの標準フォーマット)のフロッピー・ディスクが読めることが確認できました。

まとめ

このように、従来のフロッピー・ディスク・メディアからデータを読み出したり、または当時の機械のために従来のフォーマットでフロッピー・ディスク・メディアにデータを書き込む際には有用な製品だと思います。また、同社の従来製品よりも「3,000円ほど安価となっている(前述PC Watchの記事より引用)」ということであり、3割以上コスト・パフォーマンスが改善されています。

1.25MBフォーマットのフロッピー・ディスクを所有していて、いつかデータを取り出したいと考えている場合には、この製品は有力な選択肢となるのではないかと思います。

2014年8月14日追記

この製品は、おそらくは「Y-E DATA USB Floppy Disk Drive」のOEM版のようです。該当製品は1999年発売のようですから、本当に息の長いことになっているようです。

もっとも、完全に同じものかどうかはわかりませんが…。少なくとも、リンク先のページに掲載されている写真からは同じ製品であるように見えますし、マニュアルの中身に出てくる図も同じように見えます。


  • USB 2.0といえば480Mbps動作というように誤った理解をしているケースがありますが、実際にはFull Speed(12Mbps)、Low Speed(1.5Mbps)をも含む規格です。したがって、USB 2.0の仕様書に沿って実装されたこれらの480Mbpsではない速度のデバイスは名実ともにUSB 2.0デバイスです。
  • USB機器を接続した場合に表示される機器名はUSBデバイスとして設定されている情報に基づきます。ドライブのメーカーの名前が必ずしもUSBデバイスの名前として表示されるわけではありません。にもかかわらず、今回のこの製品がUSBデバイス名としてY-E DATA表示になるということは、製造・設計元がワイ・イー・データである可能性を強く示唆しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です